CTBTO編 国際機関で活躍する日本人職員を紹介

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世界のために、できること 国際機関で働こう!

グローバルに社会貢献ができる国際機関で働くには、どのようなステップが必要なのだろう。
いま活躍する日本人職員に、その道のりを聞いた

Vol.18 日本人として核軍縮の仕事に関われる誇り CTBTO 包括的核実験禁止条約機構 アジア・太平洋地域担当 佐藤真央さん

核兵器をなくすために批准国を一つひとつ増やしていく

 核兵器は実験をしないと効果を実証できない。そこで、核兵器をなくすために、まず実験を禁止しようというのが、包括的核実験禁止条約だ。
「1996年に国際的な合意はできましたが、まだ批准していない国があり、発効していません。ウィーンに本部がある包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)は、各国政府に働きかけて批准国を増やし、条約を発効することを目指しています」

 発効のためには核技術保有44ヵ国すべての批准が必要だが、中国、北朝鮮、アメリカなどの8ヵ国が批准していない。現在168ヵ国の批准国と署名国を一つひとつ増やしていくことが、彼らの批准を促進することになる。

 佐藤真央さんはアジア・太平洋地域の担当だ。事務局長がこの地域を訪問するときに調整し、各国の大臣などがウィーンの本部に来たときに受け入れる。昨年は事務局長と長崎の平和記念式典に参加し、韓国の外務大臣や軍縮担当者と面会した。年に数回開かれる国際会議の準備も担当している。

留学中にさまざまな価値観に触れ途上国での仕事に関心を持つ

佐藤さんの1日
7:00起床
9:30地下鉄に乗って国連本部へ出勤。メールチェック
11:00フランス語を受講
12:30国連内のカフェテリアで同僚とランチ
14:00上司や同僚とチーム会議。年内に行われる国際会議、準備委員会、各国大臣のCTBTO訪問、事務局長の各国訪問のスケジュール等を確認
15:00アジア・パシフィック地域から大臣・副大臣が訪問される際は会議に同行。必要なトーキング・ポイント、スピーチ、ミーティングの議事録等を作成。
17:30帰宅
19:00夕食の準備
23:00就寝

 CTBTOには核実験のモニタリングシステムがある。各国とCTBTOが設置する観測所が世界中にあり、どこかで核実験が行われれば、すぐに分かるようになっているのだ。
「世界の92%の地域で地震波、放射能の量などの科学的なデータが取れるようになっています。条約が発効しないと現地査察はできませんが、専門家のチームをいつでも派遣できる準備はできています。科学の視点から実験禁止を保つ体制が既に整っているのです」

 北朝鮮が核実験をした時は、日本を含む隣国でデータが観測された。地球上では隠れて核実験するのは難しい。
「条約の批准がなかなか進まないもどかしさはありますが、広島、長崎への原爆投下を経験した日本人として、核軍縮の仕事に関われるのは誇らしいことだと思っています」

 佐藤さんが国連を意識し始めたのは、アメリカに留学した時。翻訳や通訳の仕事に憧れて、渡米した。日本人留学生が少なく、治安のいいメイン州の短期大学を選んだ。イラク戦争の最中だったため、家々には国旗が飾られ、戦争を支持する声が多かった。
「当時の自分には戦争に賛成するということが信じられませんでした。旅行でニューヨークの国連本部を訪れた時、いつかここで働き、そうした問題に取り組みたいと思ったのを覚えています」

 短期大学を卒業して、カナダのコンコーディア大学に入り、文化人類学と政治学を専攻。留学中にはアフリカ、中東などいろいろな国の友達ができた。価値観の違いを知り、恵まれている日本で生まれたからこそ、途上国の役に立ちたいという気持ちが膨らんでいく。

 大学卒業後はいったん帰国し、就職。まずはNGOで経験を積み、国連職員にステップアップしようと考えた。入ってすぐに東日本大震災が起きて、東北が最初のフィールドになった。現地事務所を立ち上げ、物資を配布し、子供たちの心のケアに関わった。
「ローカルな目線からの緊急人道支援を最初に経験することができたのは、その後海外事業に携わるにあたってすごくいい経験になりました」

 続いてタイの洪水被害の緊急対応、スリランカ北部では国内避難民の帰還に取り組む。地雷を撤去するチームと連携して仮設住宅や簡易トイレを建設し、職業訓練が受けられるようにした。

 その頃赤十字国際委員会から誘いを受け、次のステップに進んだ。本部のジュネーブで研修を終えた後、タイ深南部、南スーダンに駐在した後、東マレーシアの事務所長として赴任。紛争地で国際人道法が守られているかを調査し、守られていなければ関係者に話をする。刑務所にいる政治犯を訪問し、人道的な対応がされているかを確認する。南スーダンでは、離散した家族を引き合わせる手助けもした。

佐藤さんの着任までのStep

2010年12月アメリカ・メイン州の短期大学修了後にカナダ・モントリオールのコンコーディア大学で文化人類学専攻、副専攻の政治学で学位を取得。英語に加えフランス語を習得
2011年2月特定非営利活動法人
ピースウィンズ・ジャパンにて
東日本大震災、タイ緊急洪水
支援、スリランカ北部緊急支援
にフィールド要員として赴任、
緊急人道支援に従事
2013年10月赤十字国際委員会(ICRC)ジュネーブ本部に転職。タイ深南部(パッターニー)、南スーダン、東マレーシア(ボルネオ島)にてデリゲート、事務所長として赴任し、主に国際人道法の遵守、プロテクション事業に従事
2017年7月アメリカ・タフツ大学フレッチャースクール法律外交大学院で国際関係学の修士号を取得
2018年2月JPO(外務省による35歳以下の国連職員派遣制度)に合格し、在オーストリア・ウィーンの包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)で勤務開始

テロリストと呼ばれる人も
一人の人間であることを忘れない

「赤十字の事業を通して教わったことは、テロリストと呼ばれる人たちも人間であることを忘れないように、人である限り対話はできる、ということでした。中立を保ち一人の人間としてその人を見て、何があったのか、どうしてほしいのかを聞き、私たちにできることを淡々とこなす。精神的に鍛えられました」

 家族のようなチームと仕事ができ、相手にとって意味のあることをしている実感もあったが、マラリアやデング熱にかかり、体調を崩したこともあった。次のステップとして選んだのが現在のCTBTOでの仕事だった。

「赤十字にいる時にアメリカの大学院で国際関係論を学び、外交的な仕事にも関心を持ちました。人道支援の経験と国際人道法の観点を生かして、核軍縮につながる新しいプロジェクトを立ち上げてみたいと思っています」

国際機関で働くまでの道のり

アメリカ、カナダ留学で
国連で働くことを志す

留学中に国籍も価値観も違う学生たちと知り合い、恵まれない国で自分のできることをしたいと思うようになる。国連で働くには英語以外の言語も必要と、カナダのフランス語圏、モントリオールにあるコンコーディア大学を選んだ。文化人類学と政治学を専攻し、ユニセフでボランティアを経験する。

日本のNGOで
緊急人道支援に従事

国連で働くには実務経験が必要とされるので、帰国してNGOピースウインズ・ジャパンに就職する。翌月、東日本大震災が起きたため、被災地で支援活動を行う。現場の視点を学ぶことができた。その後も、洪水に見舞われたタイ、難民のいるスリランカ北部で緊急人道支援に従事した。

赤十字国際委員会に転職
並行して修士号を取得

赤十字国際委員会に転職し、タイ深南部、南スーダン、東マレーシアに赴任。国際人道法が守られているか、囚人の待遇に問題はないかをチェック。同時にアメリカのタフツ大学フレッチャースクール法律外交大学院で国際関係学の修士号を取得。外務省のJPO派遣制度でCTBTOへ。

CTBTOって?

包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)の活動

CTBTO(Preparatory Commission for the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization)は、「包括的核実験禁止条約機関準備委員会」のこと。大気圏内、水中および地下などを含むあらゆる場所において「核兵器の実験的爆発又は他の核爆発」を禁止する国際条約をCTBTという。同機構ではその検証制度を構築し、条約が発効したらすぐに運用できるよう求める。現在184ヵ国が署名、168ヵ国が批准。


科学および外交シンポジウムにおけるCTBTO職員全員の写真©CTBTO
事務局長に同行して長崎の平和記念式典の
記者会見に出席
©CTBTO
マレーシアのエネルギー・
科学・テクノロジー・環境・
気候変動副大臣の訪問
©CTBTO
科学および外交シンポジウムにて実際に核実験が起きたときの
対応をロールプレイ
©CTBTO
事務局長に同行し、
韓国と北朝鮮の国境である
板門店を訪問
©CTBTO

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核軍縮・不拡散分野で働く

世界には約1万4000発の核兵器が現存し、また、日本を取り巻く安全保障環境が悪化する中、日本は唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向け、核兵器国も巻き込んだ軍縮措置を進めるため、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進等の具体的な取り組みを重視してきた。また「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」も提言するように、相手の立場を尊重した礼節を持った対話を行い、信頼を醸成していくことが重要となっている。国連軍縮部(UNODA)、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)及び国際原子力機関(IAEA)等では、多くの日本人が専門知識を活かして働いている。

外務省 軍備管理軍縮課
各種情報については、フェイスブックページの「外務省・軍縮不拡散教育」もご参照ください。
外務省軍備管理軍縮課Facebook:https://www.facebook.com/外務省-軍縮不拡散教育-182444958452484/
外務省国際機関人事センター:https://www.mofa-irc.go.jp/

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