留学ジャーナルコラム

QuizKnockで活躍・ノブさんに聞く海外体験で学んだSDGsへの気付き

「明確な目的がないから」と海外への一歩をためらっていませんか? 実は、特別な目的を持たずとも海外体験をし視野を大きく広げた先輩もいます。

今回はそんな先輩の一人でもある、元QuizKnockノブさんの中学・高校時代の海外研修の体験談をご紹介します。

環境先進国スウェーデンでのSDGsへの気付きや、イギリスでの出会いがもたらした新しい視点、さらに実践的な英語学習法がわかるQ&Aなど、自分らしい留学のヒントが見つかるインタビューをお届けします。

目次

ノブさんのプロフィール

ノブさんの留学体験

留学回数1回目2回目
留学
スタイル
交換留学(姉妹都市交流)交換留学(高校の海外研修)
国/都市スウェーデン/ウッデバライギリス/バーミンガム
滞在期間9日間10日間

のぶ●1999年生まれ。2014年、市の中学生姉妹・友好都市交流事業に参加し、スウェーデンへ。高校1年生だった2016年3月には、学校のイギリス研修でバーミンガムに滞在した。大学入学後の2018年10月、QuizKnockに加入し主に動画編集を担当。2020年5月からは動画出演もしている。
※東京大学大学院修士課程の終了に伴い2024年3月末にQuizKnockを卒業。

中学時代の国際交流で訪れた環境先進国スウェーデンでの体験

環境先進国として知られるスウェーデン。2005年には「持続可能な開発省」が誕生するなど、早くから未来を見据えたさまざまな施策が行われてきた。そんな場所を中学3年次に訪れていたのが、ノブさんだ。

「実はスウェーデンが初めての海外渡航先だったんです。それまで海外旅行もしたことがなくて。初海外がスウェーデンになった理由をよく聞かれるんですが、何か目的があってこの国に行きたいと思ったわけではないんですよね。中学校の先生に『海外に行って国際交流する市のプログラムがあるから、参加したら?』と声を掛けられて、そのプログラムの交流先がスウェーデンのウッデバラ市だっただけなんです」

当時、実生活で英語を話した経験はほとんど無く、授業中に学校のALT(外国語指導助手)と話す程度。ただ英検準2級は取得しており、英語そのものに苦手意識はなく、不安より期待が大きかったと言う。
しかしフライトを終えて間もなく、どきっとする出来事があったそう。

「入国審査がスムーズにいかず……。審査官の質問で聞き取れないものがあって、すごく焦りました。焦ると余計に頭に入ってこないですし。数回聞き返してやっと分かり、事なきを得ました」

ウッデバラの街並みから感じたSDGsの取り組み

以降は気持ちも落ち着き、英語での生活に不自由は感じなかったと言うノブさん。ウッデバラの印象を「街がとにかくきれいだった」と語る。

「まず高い建物がありません。その上、山が近くて自然が豊富な点に街としての美しさを感じました。また道端にゴミがほとんど落ちていなかったんです。道路脇に大きなゴミ箱がいくつも設置されているからかな、清潔に保たれている印象でしたね。それから道路に自転車専用レーンがありました! 今でこそ日本で見掛ける機会もありますが、当時はとても新鮮で。その整然さもきれいだと感じた一因です」

街を歩くだけで目新しいものに出合う毎日。そこに現地の人との交流が加われば、さらなる驚きも。

「ホストファミリーとボウリングをしに出掛けた日があったのですが、時間制なことに結構びっくりしました。2ゲーム目の6投目で終わっちゃって……ゲームの途中でも強制終了ってパターン、日本でありえます?(笑)」

スウェーデンで過ごした短いながらも発見にあふれた9日間、終えたときの心境は?

「海外に憧れをもちました。道沿いのゴミ箱も自転車専用道路も、日本にあったらいいなぁと。とはいえ、結局僕は日本が好きなんだなとも思いました。特に日本米を1週間食べない生活は、僕には耐えられない!それが結構大きな気付きでしたね」

高校の海外研修で訪れたイギリスでの体験

それから1年半後、次はイギリスのバーミンガムへ。スウェーデン研修が楽しかったため、今回は自ら応募し面接選考に挑んだ。参加が決まってからは学内の英語講習に参加するなど、半年ほどかけて準備を行いイギリスへ飛び立ったと言う。

「交流先の学校では数学や化学などの授業を受けた他、僕たちが日本文化について英語で発表する機会もありました。僕が選んだテーマは“けん玉”。模造紙に歴史や世界のけん玉ブームについてまとめました。その中に『けん玉に似たこのおもちゃは、どこの国のものでしょう?』というクイズも入れたんですよ。結局一番盛り上がったのは、けん玉体験の時間でしたが(笑)。とめけんという技と成功させやすいコツを教えてあげたところ大盛り上がり。中学生も高校生も楽しんでくれて、うれしかったです」

またホームステイ先には今につながる縁があった。

「ホストファミリーは夫婦の他に男兄弟が2人いる家庭で、そのうちの1人がアニメ文化をはじめ日本に興味を持ってくれていて、とても話しやすかったんです。帰国してからもずっと連絡を取っていて、日本に遊びに来てくれたこともあります。そうして交流するうち、ついに彼が日本の大学に留学することを決めたんです。経済学と日本語の勉強のために。僕が彼の人生に影響を与えたんだと思うと感慨深いですね」

留学の意義は現地生活からの新しい視点の獲得

この出会いはノブさんにも変化をもたらした。

「彼と仲良くなれたことで、日々のさまざまなことへの見方が変わりました。例えば、彼はイスラム教徒なので、日本に来た時はハラルフードを提供している店を選んで食事したり。最近だとイギリスの首相が新型コロナウイルスに感染したと知れば、彼にイギリスの感染状況や対策を聞いたり。海外の文化や時事問題を自分に関係あることとして捉えられるようになりましたね。そういった情報に敏感になったというか。海外に友人がいなかったら、間違いなく気にしませんでした。
英語を学ぶだけなら日本でも機会はつくれます。でも留学の意義は、現地生活で発見を重ね新しい視点を体得することにあると思うんです」

身近な活動を通してSDGsを考える機会に

そう言い切るノブさんは、自身の体験を大学生活にどう生かしているのだろう。

「先日代替わりしてしまいましたが、大学では地方の高校生の進路選びをサポートする団体に入っています。都会の高校生と地方の高校生では得られる情報の質にも量にも差がある。そのギャップを埋めるために、自分が役に立てるならと。企画するときに大切にしていたのは、概念と現実を結び付ける内容にすることです。僕が専攻している心理学の理論をいくら熱心に口で紹介しても、聞き手は実感が湧かないと面白くないし引き込まれない。だから最初に必ず実験を入れていました。体験してもらって興味を引いてから説明に入るんです。こうした活動って、SDGsの『質の高い教育をみんなに』にもつながっているのかな? そう考えるとSDGsを考える機会って案外身近にありますよね」

交換留学を体験したノブさんから読者に向けてメッセージ

そんなノブさんが今、読者に伝えたいこととは?

「SDGsに関しては、日本にいるだけじゃ分からないことがたくさんあるはず。僕は楽しむことだけを考えて海外に行き、そこでは予想以上の収穫がありましたが、何かしらテーマを持っていけばもっと多くの発見があったとも思います。だから、せっかくならSDGsの中で特に理解を深めたいテーマを見つけて、それを念頭に留学してみてはどうでしょうか。その分野の先進的な国に行って海外の参考になるところを見るのも良いし、逆に取り組みが遅れている国に行って問題意識を持ち直すのもありですよね。もちろん僕が経験したように、日本のことを外から知れるし、将来に続く友人関係も築けるし、海外の環境が自分に合うかどうかも分かる。興味があるなら、ぜひ行ってみてほしいと思います」

ノブさんへのQ&A

Q1.英語の勉強方法を教えてください!

高校生の頃は根を詰めすぎず、友達と遊び感覚で英語を勉強していました。例えば英単語帳から小テストを作成して、友達に解いてもらうなど。問題を作るために何回も読むうちに例文ごと覚えてしまったり、逆になかなか覚えられない単語を把握できたりと自分にもプラスになったんです。それに大学入試でどういう問題が出るか分かっていないと作問できないので、出題形式や傾向を知る意味でも僕には合っていました。
イギリスから帰国してからは、仲良くなったホストブラザーとメッセージのやり取りを続けることで英語力が上がった気がします。難しい単語や文法を使っていたわけではないですが、日常的にアウトプットするうちに意味や用法を定着させられますし、文を早く組み立てられるようになったので。

Q2.留学先で英語が聞き取れない時、聞き返しても嫌がられませんか?

僕は聞き直していましたね。そのまま流してしまうと、その後ずっと「あれ何て言ってたんだろう……」ってもやもやしてしまうので。また初対面であれば、こちらがどのくらいの英語力を持っているか、相手は分からないもの。あいまいにして「このぐらいでしゃべって伝わるんだな」と誤解されてしまうのは良くないと思います。これは聞き取れる、これは分からないときちんと意思表示した方がうまくコミュニケーションを取れますよ。ちなみに現地滞在中、僕が英語への慣れの基準にしていたのは「英語で冗談を言える」かどうか。イギリス研修の際は、到着後1週間くらい経つとちょっとずつ軽口をたたけるようになりました。

Q3.今度留学するとしたら、どこに行きたいですか?

ヨーロッパの2ヵ国に行ったので、今度は違う方面―南アジアや東南アジアに行ってみたいです。物価が安い、独特の香辛料を使った料理が多い、衛生面があまり良くない地域があるなど、知識はありますが自分で確かめてみたい。インドに行った友人からは水か食事が合わずお腹を下してしまった話を聞いたんですが、そういった良くも悪くも日本と違う環境を体験できたらいいなと思います。決して体調を崩したいわけではないんですが(笑)。

写真・久富健太郎、スタイリング・林かよ、ヘア&メーク・宮下奈己
※本稿は『留学ジャーナル2021年2月号』の記事を抜粋・再編集したものです。
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