オーストラリアでワーキングホリデー(ワーホリ)を体験するのであれば、仕事についても考えておきましょう。ワーキングホリデーでオーストラリアに渡航している方に人気の仕事や探し方を紹介します。また、収入の目安として最低賃金についてもまとめました。
オーストラリアワーキングホリデー(ワーホリ)で就ける仕事とは?
ワーキングホリデーは、原則として18歳以上30歳以下の青少年が外国で休暇を楽しむための制度です。ワーキングホリデー協定を結ぶ国・地域間の文化や生活様式を理解する機会になり、相互理解を深めるきっかけにもなります。
ワーキングホリデーでは、休暇に加え、語学を学んだり滞在資金を補うために働いたりすることも認められています。就労時の職種についてはとくに制限を設けられていませんが、免許や資格が必要な仕事に関しては、求められる免許・資格なしに従事できません。
1箇所の雇用先で6ヵ月以上働くことはできない
ワーキングホリデーでオーストラリアに渡航するときは、就労期間に注意が必要です。1箇所の雇用先で6ヵ月以上働くことはできないので、6ヵ月を超える前に別の就労先を探す必要があります。
また、特定の雇用先で6ヵ月を超える期間勤務する予定があるときは、ワーキングホリデービザではなく就労関連のビザ取得が必要となります。
ビザの期間を延長したいときは職種が限られる
オーストラリアのワーキングホリデービザには、次の種類があります。
- First Working Holiday visa
- Second Working Holiday visa
- Third Working Holiday visa
いずれのワーキングホリデービザも有効期間は12ヵ月です。最初にFirst Working Holiday visaを取得し、滞在期間を延長したいときはSecond Working Holiday visaの発給を申請します。また、さらに延長したいときはThird Working Holiday visaを申請しましょう。
ただし、Second Working Holiday visaの発給を申請するためには3ヵ月以上、以下の仕事に従事していることが必要です。
- オーストラリア北部もしくは離島などにおける観光・ホスピタリティ関連の仕事
- 動植物の栽培(果物や野菜の収穫や梱包など)
- 漁業、真珠採り
- 樹木の栽培と伐採
- 鉱山での仕事
- 建設工事
- 森林火災の影響を受けた地域の復旧作業
- 宣言された地域での洪水の復旧作業
- 新型コロナウイルス感染症関連の仕事
また、Third Working Holiday visaを取得するには、上記の仕事に6ヵ月以上従事していることが求められます。就労期間を確認してから、ビザの期間延長を申請しましょう。
オーストラリアワーキングホリデーの仕事探しの方法
ワーキングホリデーは、あくまでも休暇を楽しむのがメインです。そのため、仕事は現地に着いてから探すケースが一般的です。主な仕事探しの方法としては、次のものが挙げられます。
- 日本人向けの求人サイト
- 現地の求人サイト
- 知り合いからの紹介
- 飛び込み
それぞれの方法のメリット・デメリットを紹介します。
日本人向けの求人サイト
ワーキングホリデーなどでオーストラリアに居住している日本人も多いです。オーストラリア在住の日本人向けの求人サイトもあるので、ぜひ活用して仕事を探してみましょう。求人案件が日本語で記載されているため、英語にまだ慣れていない人も仕事を探しやすい点がメリットです。また、英語が初心者の人向けの仕事も多く、語学学校に通いながら働く場合にも活用できます。
ただし、次に紹介する現地の一般的な求人サイトと比べると、案件数が少ない点に注意が必要です。幅広い案件から仕事を探したい人は、現地の求人サイトを活用しましょう。
現地の求人サイト
日本人向けに限定されていない現地の求人サイトを使って探す方法もあります。日本と同様、オーストラリアでもインターネットで仕事探しをする人は多いので、案件数が多く、希望の仕事が見つかりやすいです。
ただし、ある程度、英語でコミュニケーションを取れるレベルでないと仕事は見つけにくいでしょう。また、雇用条件などもすべて英語で記載されているので、見落としがないよう慎重に仕事を選びましょう。
知り合いからの紹介
まずは語学学校で英語力を高めてから、仕事を探そうと考えている人も多いのではないでしょうか。オーストラリアのワーキングホリデービザでは、4ヵ月以内であれば語学学校などで学べるので、その間に知り合いを見つけて仕事を紹介してもらうのもおすすめの方法です。
たとえば、ワーキングホリデーを終えて帰国する人に仕事を紹介してもらえれば、仕事内容などを詳しく教えてもらえるので、スムーズに就労できる可能性があります。また、紹介の場合、雇用者からの信用を得やすく、採用される可能性が高いのもメリットです。
また、ワーキングホリデー向けのサポートプログラムがある語学学校に通うことで、ワーキングホリデービザで渡航している人との出会いや情報収集がよりしやすいでしょう。
ただし、紹介してもらえる仕事が希望する職種とは限らない点に注意が必要です。また、勤務先が語学学校から通えるエリアに限られる場合もあり、離れたエリアや離島などで働きたいときには情報を得にくいかも知れません。
飛び込み
働きたい職場が決まっているのであれば、直接雇用者に会い、働きたい旨を伝えるのもひとつの方法です。求人募集中の職場なら、採用されることもあるでしょう。
ただし、雇用者と直接交渉するには、高い英語力が必要です。また、仕事内容についても、ある程度は理解しておくことも求められます。
オーストラリアのワーキングホリデーで人気の職種10選
オーストラリアで見つけやすい職種としては、次のものが挙げられます。
- ウェイター/ウェイトレス
- カフェの店員、バリスタ
- バーテンダー
- 観光産業
- 農業関連
- 子ども関連
- 宿泊業関連
- イベントスタッフ
- オフィスワーク
- ボランティア、インターンシップ
いずれの職種も、ワーキングホリデーでオーストラリアに渡航する人にも人気です。自身の英語力や、Second Working Holiday visaやThird Working Holiday visaを視野に入れているかどうかなどによって、希望や条件に合う仕事を探してみましょう。
ウェイター/ウェイトレス
都市部なら多くのレストランがあるので、ウェイターやウェイトレスの求人案件も豊富にあります。お客さまと話す機会が多く、英語力が向上するのも魅力です。今までにウェイター/ウェイトレスの経験があれば、言葉に少々不安がある場合でも挑戦しやすいでしょう。
英語力に自信がなくても、日本食レストランのウェイター/ウェイトレス、調理スタッフなら問題なく働けることが多いです。オーストラリアに渡航してすぐの時期や、語学学校に通いながら働く場合などに日本食レストランの求人を探してみましょう。
ただし、地方部などでは日本食レストランが少ない、あるいはない可能性があります。英語力に自信がないときに働くことを想定しているのであれば、都市部を選ぶほうがよいでしょう。
カフェの店員、バリスタ
カフェも街中に多数あり、求人案件も多いです。都市部で日本人などの観光客が多い店舗なら、英語以外の能力も求められることもあるので、働きやすいでしょう。ただし、注文を正確に聞き取るスキルが求められるので、リスニング能力とメニューについての知識は必要です。
また、注文を受けたスタッフがドリンクを作ることも多いです。注文通りのドリンクを正確に作るためにも、カフェで働いた経験があれば有利でしょう。経験がある人は、採用面接のときにアピールしてみましょう。
バリスタとして働くには、エスプレッソマシンを使いこなすことが必要です。経験があると即戦力として働けるので、採用される可能性が高まります。
バーテンダー
時間を効率よく使いたい方には、主に夜に働くバーテンダーがおすすめです。日中は勉強、夜は仕事とすれば、学びつつ生活費も稼げます。また、バーテンダーの仕事は給料が高めの傾向にあり、短時間で効率よく稼げるのもメリットでしょう。
なお、バーテンダーの仕事はバー以外にも、ビールの醸造所やワイン蒸留所などにもあります。日中働きたい方は、醸造所や蒸留所もチェックしてみましょう。
ただし、アルコールを提供する仕事に就くときは、Responsible Service of Alcohol(RSA)のトレーニングを修了していることが必要です。また、バーテンダーとして働くときだけでなく、アルコールを提供しているレストランやクラブで働くときにも、RSAを修了していることが求められます。
観光産業
美しい海や山、広大な砂漠、ほかの地域にはいない珍しい動植物などを有するオーストラリアは、観光産業が発展した国です。観光に携わる人も多く、土産物店店員やツアーガイドの仕事など多くの仕事が募集されています。
とりわけ海の観光名所は多く、遊覧船の甲板員の仕事などは、ワーキングホリデーでオーストラリアに渡航した人にも人気です。働きながら、オーストラリアの自然を肌で感じられる点も魅力です。
農業関連
オーストラリアは農業国でもあります。広大な土地を活かした、大規模な農園も多いです。収穫の時期になれば求人も増えるため、応募してみてはいかがでしょうか。短期のため、ワーキングホリデー向きの仕事といえます。
また、農園での仕事は、宿泊や食事も込みのことが多いので、生活費がほぼかからないのもメリットでしょう。短期間でしっかりと稼いで、残りの期間は休暇だけに専念するのもおすすめです。
子ども関連
学校の送り迎えや子どもの世話などの仕事もあります。家族の一員になって子どもの世話をする仕事を、オーストラリアではオペア(au pair)と呼びます。オーストラリアの一般家庭の暮らしを体験できるのもメリットです。
子どもの世話や子どもと遊ぶのが得意であれば、オペア専用の代理店を利用して仕事を探してみましょう。ただし、州によっては「Working With Children Check」への登録や、応急処置の資格などを問われることもあるので、事前に確認して準備しておきましょう。
宿泊業関連
宿泊業の仕事もあります。ホテルの受付は高いコミュニケーションスキルが求められるため、英語が得意で人と話すことが好きな人はチャレンジしてみましょう。英語力に自信がない人は、ハウスキーパーなどの仕事がおすすめです。
都市部から離れた観光地などのホテルでは、宿泊込みのところもあります。生活費を抑えられるので、効率よく稼げるのも魅力です。
イベントスタッフ
オーストラリアでは、世界レベルのビッグイベントが開催されることもあります。たとえば、全豪オープンテニスやF1オーストラリアグランプリなど、世界中から注目と観客を集めるイベントの舞台となります。
イベントの規模が大きければ、募集されるアルバイトの人員数も多いです。応募して、オーストラリアでしか得られない経験を積むのも良いでしょう。
ただし、イベントは短期間なので、安定した仕事にはなりにくいです。コンスタントに収入を得たいのであれば、イベント終了前に次の仕事を探しておきましょう。
オフィスワーク
特定分野の学位や資格が求められることもありますが、オフィスワークに従事することもできます。たとえば、会計やマーケティングなどの経験があれば仕事も見つかりやすいです。仕事内容によって必要とされる資格が異なるので、挑戦したい仕事について調べておきましょう。
プロジェクト単位で募集されることもありますが、ワーキングホリデービザでオーストラリアに入国している人は、6ヵ月を超えて働けないことに注意が必要です。プロジェクトや雇用が長引きそうな場合は、事前に就労期間について雇用者側に伝えておきましょう。
ボランティア、インターンシップ
賃金は発生しませんが、得難い経験を積めるのがボランティアです。たとえば、生態系の保護などのボランティアでは、オーストラリアの動植物に深くかかわる経験を得られます。
ボランティアの経験が日本での仕事に役立つこともあるので、ぜひチェックしてみましょう。なお、ボランティアの内容によっては、宿泊や食事などは無料で提供してもらえることもあり、生活費を抑えられます。
また、インターンシップとして働く方法もあります。給料が発生する場合や無給の場合などケースバイケースですが、企業での就業経験を積めるでしょう。
オーストラリアで希望する仕事に就くコツ
オーストラリアではワーキングホリデービザで渡航した人が就労できる仕事も多いですが、人気の仕事は応募者も多く、必ずしも希望する仕事に就けるとは限りません。希望職種に就くためのコツとしては、次の5つが挙げられます。
- 英語力を磨く
- 仕事に必要なトレーニングを受ける
- ワーキングホリデーサポートを利用する
- 人材派遣会社に登録する
- ハーベストガイドを利用する
それぞれのコツを詳しく見ていきましょう。
英語力を磨く
接客業だけでなく、ほとんどの仕事ではお客さまや社内スタッフとのコミュニケーションが求められます。そのため、英語力があるほうが採用されやすいのは事実です。また、英語力があれば仕事の選択肢も広がり、時給も高くなる傾向にあります。
ワーキングホリデービザでオーストラリアに渡航するのであれば、すぐに働くのではなく、まずは語学学校に通って英語力を磨くのがおすすめです。共に学ぶ仲間が得られるだけでなく、ほかの学生から仕事を紹介してもらえることもあり、現地での人脈を構築できるのもメリットでしょう。
はじめての留学なら、Universal English College(UEC)/ユニバーサルイングリッシュカレッジがおすすめです。安定のクオリティーで、ワーホリ目的の人にも学びやすいです。
また、授業が全て選択制で、自分の目的や興味に合ったスキルが身に付くILSC-Sydney/ILSC シドニー校もおすすめです。プレゼンテーションスキルやディスカッションスキルが身に付く授業もあり、日本での就職活動にも役立ちます。
仕事に必要なトレーニングを受ける
仕事に必要なトレーニングを受けておくことで、就労しやすくなることがあります。たとえばバーやアルコールを提供するレストランで働くなら、RSAのトレーニングを受けておくと採用されやすいでしょう。
また、語学学校によってはバリスタコースなどもあります。就きたい仕事に適したコースを選ぶのもおすすめです。たとえばLexis English, Brisbane/レクシス イングリッシュ、ブリスベン校では、「バリスタ+カスタマーサービス英語」のコースがあり、バリスタとしてのスキルと接客に必要な英語をまとめて習得できます。
即戦力としての力を身に付けたい人には、BROWNS English Language School, Gold Coast/ブラウンズ イングリッシュ ランゲージ スクール、ゴールドコースト校もおすすめです。「Barista@BROWNS English Language School with RSA」のコースでは、ホスピタリティ英語と食品衛生やエスプレッソ提供、酒類サービスのトレーニングを受けられます。また、修了後は認定証がもらえるので、バリスタやバーテンダーの求人に応募するときに活用できます。
人気のコーヒーショップを訪問する授業もあり、バリスタとして働く力を楽しく習得できるのが魅力のImpact English College, Melbourne/インパクト イングリッシュ カレッジ、メルボルン校。「バリスタ/カフェ英語」のコースでは、コーヒーの歴史からエスプレッソマシンの専門用語、接客業向けの英語を基礎から学べます。バリスタの実習はオーストラリアの公立専門学校「William Angliss」で行い、William Anglissからコースの修了証をもらえるので、カフェでの仕事探しに有利になるのもメリットです。
ワーキングホリデーサポートを利用する
語学学校によっては、ワーホリビザ保持者向けに、仕事探しのアドバイスを受けられるなどのサポートプログラムを提供していることがあります。
たとえば、English Language Company/イングリッシュ ランゲージ カンパニーでは、ワーホリ用の仕事紹介デスクがあり、英語を学びながら仕事も探せるため、はじめての海外生活が不安な人にもおすすめです。英語とインターンシップ/ワーク体験がセットになった「WTC Membership」コースもあり、提携会社に人材登録するため、オーストラリア中の求人案件をチェックできるのもメリットです。また、履歴書の書き方や納税者番号取得などの実用的なサポートも受けられます。
Langports, Brisbane/ラングポーツ ブリスベン校では、学生サービスの一環として、希望するれば無料で仕事の探し方や履歴書の書き方、納税者番号取得の手続き方法に関するアドバイスを得ることができます。
人材派遣会社に登録する
オーストラリアでも、日本と同様、人材派遣会社が多数存在します。接客業や建設業などのワーキングホリデーに適した仕事を紹介してもらえるので、登録してみましょう。
ただし、人材派遣会社によって得意とする業種が異なる点に注意が必要です。働きたい職種の案件を豊富に有する人材派遣会社を選び、効率よく仕事探しができる状態にしておくのが望ましいです。
ハーベストガイドを利用する
オーストラリアの広大な農園で農作業をしたい人は、オーストラリア政府のサービス「Harvest Guide(ハーベストガイド)」を利用しましょう。ハーベストガイドでは、マンゴーなどのフルーツのピッキング業務や、収穫した野菜のパッキング業務などを紹介しています。
短期間の仕事も多く、ワーキングホリデービザでオーストラリアに渡航している人におすすめです。また、ワーキングホリデーでオーストラリア中を移動する人が利用することも多いホステルに宿泊すると、仲間と知り合えるだけでなく、農作業などの短期間の仕事についての情報を得られることもあります。
オーストラリアのワーキングホリデーの給料相場
2025年3月時点の全国最低賃金は、時給AU$24.10。オーストラリア政府の機関「Fair Work Commission(FWC)」により、毎年、最低賃金は見直され、例年7月1日以降から適用されるのが一般的です。
ワーキングホリデーで短期間の仕事に就く場合、食事や宿泊付きの仕事や、仕事のスキルによっては、給料相場が低くなる可能性もあります。
「Fair Work Commission(FWC)」では、仕事ごとに最低賃金の目安を公開していて、たとえば、レストランなどの飲食店では、最低賃金を以下のように定めています。
仕事のレベル | 最低賃金(フルタイム・1週間・AU$) | 最低賃金(パートタイム・時給・AU$) |
Introductory Level | 891.50 | 23.46 |
Level 1 | 915.90 | 24.10 |
Level 2 | 949.20 | 24.98 |
Level 3 | 980.40 | 25.80 |
Level 4 | 1032.30 | 27.17 |
Level 5 | 1097.10 | 28.87 |
Level 6 | 1126.30 | 29.64 |
※2025年3月13日時点
出典:「Fair Work Commission(FWC)」
Restaurant Industry Award 2020
オーストラリアのワーキングホリデーで自分にあった仕事を探そう!
オーストラリアでワーキングホリデーを体験するのであれば、仕事についてもある程度検討しておきたいところです。就きたい職種や仕事内容だけでなく、1日あるいは1週間にどの程度働きたいのかも決めておきましょう。
今まだよくわからないという方も、オーストラリアでのワーキングホリデーの過ごし方について詳しく知りたい方も、留学ジャーナルの無料相談でお気軽にご相談ください。留学カウンセラーがあなたの希望に合わせて親身にプランをご提案します。
また、ビザ申請のアドバイスや現地到着後にオリエンテーション、滞在先探し、仕事探しなどのアドバイスを得られる留学ジャーナルの「ワーキングホリデーサポートプログラム」もあります。ワーキングホリデーの体験をよりよいものにするためにも、ぜひチェックしてみてください。
オーストラリアのワーキングホリデーについて詳しく知りたい方は、次のページも参考にしてください。
オーストラリアでワーキングホリデー
