将来、国連などの国際機関で働きたいと考えたときに、必要となる修士号以上の学位と実践的な語学力。国際機関で求められるさまざまな分野での高い専門性と、英語やフランス語をはじめとする語学力をもつ人材となるために、海外の大学院へ留学するのもひとつの方法です。
今回は、イギリス・コルチェスターにある社会科学系に強い「University of Essex(エセックス大学)」を例に、グローバル人材としての一歩を踏み出せる修士課程のプログラムをご紹介します。
国際機関で働くために必要な経験やスキル
国連などの国際機関で働くには、どのような経験やスキルが必要なのでしょうか。ここでは、国際機関で働くうえで必要な経験やスキルの一例をご紹介します(参考:国際機関で働こう!Vol.2)。
幅広い専門知識
国際機関(国連)では統計、開発経済学、政治経済の知識が役立ちます。自分がどんな専門性で国際機関に貢献したいかをイメージしながら専門分野を選ぶと良いでしょう。
実践的な語学力
即戦力が求められる職場のため、実践的な語学力が必要になります。英語やフランス語はもちろん、その他の言語ができると、現地事務所で働く場合に業務の幅が広がることもあります。
多様性の環境に強い異文化理解力
ダイバーシティ(多様性)の環境で、考え方が異なる人たちと一緒に時間を過ごし、相手の考えを尊重できるようになるためには、異文化理解力が必要です。海外留学や仕事を通して多様な集団で価値観を共有する経験は、国際機関で働くうえで役に立ちます。
どちらで学ぶ?日本と海外の大学院
国際機関の求人に応募する場合、応募するポジション(職務)と関連する修士号以上の学歴が求められています。求められる人材は幅広く、保健・開発・教育・環境・財務・工学・ITなど、さまざまな分野で高い専門性を持つ人材が必要とされています。
国際機関への就職を目指すには、海外の大学院に進学する必要があるのでしょうか。国際機関への採用の際に問われるのは、「どの国の大学院を出たか?」ではなく、「どのような修士号を持っているか?」という点です。つまり、英語さえ問題なくできれば、日本の大学院での修士号も国際機関への応募要件を満たすことになります。
しかしながら、実際には、外務省が実施している若手日本人を国際機関へ派遣する「JPO派遣制度」で2016年度に合格した48名のうち、41名(約85%)は海外の大学院で修士号を取得しています。特に国際機関で必要とされる学問の修得や英語への慣れなどの観点から、海外の大学院を経て国際機関へ就職する人が多いのも事実です(参考:国際機関で働こう!Vol.11)。
国際機関でのキャリアにつながる修士課程の専攻は?
University of Essexの修士課程
イギリス・コルチェスターにある研究型大学University of Essex(エセックス大学)は、経済学、人権研究の分野でのノーベル賞受賞者をはじめ、世界をけん引する人材を輩出しています。今回は多様なコースの中から、国際機関への就職にもつながる修士号レベルのコースを3つご紹介します。
MA International Relations(国際関係学)
国際関係学はUniversity of Essexで最も人気のあるコースで、世界各国から学生が学んでいます。単なる国際関係の歴史を学ぶのではなく、国際的な出来事を説明し、理解することに重点が置かれています。
受講期間(最短) | 1年間 | |
キャンパス | コルチェスター | |
受講スタイル | フルタイム | |
必要な英語力 | IELTS 6.5~(オーバーオールスコア) ※各スキルで5.5以上 | |
授業料(1年間) | £19,740 |
MA Migration Studies/Refugee Care(移住研究/難民ケア)
理論と実践を組み合わせて、学生が難民と直接協力することを可能にするユニークで革新的な授業を展開しています。
教育、心理学、療法、医学、看護、ソーシャルワークなどの分野で、専門的で豊富な経験を持った学生が多く在籍しています。活発なセミナーやディスカッションを通じて、単なる心理面のケアを提供するだけでなく、難民との関わり合いの中で効果的にケアする方法を探ります。
また、亡命者への移民裁判が行われるAsylum Tribunalへの訪問や、過去の判例からイギリスの難民システムについても学びます。
受講期間(最短) | 1年間 | |
キャンパス | コルチェスター | |
受講スタイル | フルタイム | |
必要な英語力 | IELTS 6.5~(オーバーオールスコア) ※各スキルで5.5以上 | |
授業料(1年間) | £19,740 |
LLM International Human Rights Law(国際人権法)
University of EssexのLLM International Human Rights Law(国際人権法)は、ヨーロッパで最初に設立された国際人権法のコースで、人権に関する研究のリーディングセンターとして世界的な評判を誇っています。非常事態などの危機を含む、さまざまな状況に適用される国際人権法について学びます。
卒業生は、国際人権法の分野のリーダーとなるフィールドオフィサー、法律顧問、または政府や国際的な研究者としての活躍を目指しています。また、欧州評議会やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)をはじめとする国際機関でのインターンシップ実績があります。
受講期間(最短) | 1年間 | |
キャンパス | コルチェスター | |
受講スタイル | フルタイム | |
必要な英語力 | IELTS 6.5~(オーバーオールスコア) ※各スキルで5.5以上、ライティングのスコアは6.0以上 | |
授業料(1年間) | £19,740 |
University of Essexってどんな大学?
常に新しい挑戦と探求を続ける「研究型大学」
University of Essex(エセックス大学)は1964年の開校以来、「ラディカル・イノベーション(従来の価値観を覆すほどの急進的な革新)」を研究と教育の核とし、常に新しい挑戦と探求を続けてきました。特色ある研究型大学で、学生はリサーチャーとしての経験を積むことがき、授業を通して分析スキルを養うことができます。
学生一人ひとりが”研究者”になることを支援し、その成功をミッションの中心に据えた「研究主導型」の教育は国内外から高い評価を受け、イギリスのタイムズが毎年発行している高等教育情報誌「Times Higher Education 2018」において「University of the Year」に選出されました。
2021年には、政治学(国際関係学)の分野がヨーロッパのトップ20にランクインするなど、主に社会科学系に強みを持つ大学です。
- Times Higher Education World University Rankings 2021:社会科学が30位
- QS World Rankings by Subject 2021:政治学(国際関係学)でヨーロッパのトップ20にランクイン
University of Essexのおすすめポイント
施設が充実したキャンパス
University of Essex(エセックス大学)には3つのキャンパスがあります。メインキャンパスであるコルチェスターには、レストラン、ショップ、バー、劇場、ジムやスポーツアリーナ、さらにはナイトクラブまで、キャンパス内で生活ができるほど施設が充実しています。
美しい海岸線が続く海辺にあるサウスエンドには、24時間使用可能なラーニングハブ、飲食店、最新の図書館などがあります。どのキャンパスも安全で親しみやすい街にあり、落ち着いた学生生活を過ごすことができます。
手厚い留学生サポート
世界140ヵ国以上から集まる留学生が学生の3割以上を占めていることから、エセックス大学は国際的な視野を持つ大学としても高い評価を受けています。
留学生を受け入れてきた長年の経験と実績により、多角的なサポートが可能です。例えば、1年目の留学生にはストレスを最小限に抑えるためにキャンパス内の寮を確保するなど、1人ひとりのニーズに合わせて部屋を提供しています。
お問い合わせ
University of Essexは、国際関係学を学ぶ「MA International Relations」や、国際人権法を学べる「LLM International Human Rights Law」など、世界的にも高い評価を受けている社会科学系のコースが強みで、世界大学ランキングにもランクインしています。
卒業後は国際機関でのキャリアにもつながり、グローバル人材への一歩を踏み出すことができます。将来的に国際機関で働いてみたい!と考えている方は、University of Essexの修士課程で大学院留学に挑戦してみてください!
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