社会人になってからの留学は“限られたお金と時間”を使って行くことになるので、留学という自己投資が本当に意味あるものになるのか、意味あるものにするためにはどうすればいいのか、気になるところだと思います。そこで今回は、社会人になってから行く留学について、アメリカへの留学を例に考えてみます。
社会人の場合、短期から長期の語学留学や大学院留学など、できる留学の種類はさまざまです。留学ジャーナルでは、50年間で培ったノウハウを生かし、一人ひとりに最適な留学をご提案しています。自分の目的や予算に合った留学をしたいという方や、留学についてあまり知らないという方も、まずはお気軽にご相談ください。
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社会人のアメリカ留学にはどんな種類があるの?
社会人が留学をする場合、休暇を利用した短期の語学留学から、キャリアアップ、キャリアチェンジを目指した大学・大学院留学という本格的なものまで、目的と期間によってさまざまな選択肢があります。ここでは留学する期間ごとに、代表的な社会人の留学について解説します。
休暇を利用してリフレッシュしたい社会人向け【短期語学留学】
お盆休みやお正月休み、ゴールデンウィークなど1~2週間程度の休暇を利用して留学を考えている場合は、現地の語学学校で英語を学ぶ留学(=語学留学)がおすすめです。
短期間とはいえすべて英語の環境で集中的に学ぶことになるので、ある程度の英語力アップが期待できますし、旅行では味わえない異文化体験もできるでしょう。また、アメリカの語学学校には、南米、アジア、中東、ヨーロッパなどから多くの留学生が集まって来るので、世界中に友人を作ることができます。
短期の語学留学では、「読む・書く・聞く・話す」の4つの技能を総合的に伸ばす「一般英語コース」に入学するのが一般的です。学校によっては、ビジネス英語やTOEICなどの英語試験対策を学ぶ授業も取ることができたり、30代、40代、50代以上の同年代がクラスメイトの大人向け限定コースを開講していたりするので、目的によって学校を選ぶとよいでしょう。
せっかく海外に行くのだから観光も楽しみたいという人には、「アクティビティ」が充実した語学学校がおすすめです。「アクティビティ」とは、語学学校が主催する課外活動のことで、学校の外での活動を通して英語を学ぶことができます。
「アクティビティ」の内容は、街の観光スポットを巡るツアーや映画鑑賞、有名レストランで食事やお酒を楽しむパーティなど学校によってさまざまです。無料で参加できるものもあれば、参加費用を別途徴収するものもあります。「アクティビティ」に参加すると、クラスメイトだけでなく、同じ学校に通うたくさんの人と話す機会になり、友達づくりの絶好のチャンスになるはずです。
1~2週間程度の語学留学では意味(効果)がないのでは?という人もいます。確かに、1週間程度で英語がペラペラになったり、映画が字幕なしでスラスラわかるようになったりすることは期待できません。また、劇的に英語資格試験のスコアが上がるということも期待できないでしょう。
しかし、自分の英語の弱点がわかったり、外国人とのコミュニケーションに対する抵抗感が低くなったり、英語を学ぶモチベーションが上がったりするなど、次につながる効果は必ずあります。同じお金を使うなら単なる海外旅行ではなく、観光を兼ねた語学留学をしてみてはいかがでしょうか。
コロナ禍で注目されている「オンライン留学」もひとつの方法です。今後、オンラインで海外の人たちとコミュニケーションをとる機会がますます増えていく時代だからこそ、英語の勉強もオンラインでスタートしてみるのもいいのではないでしょうか。
会社を休職してキャリアアップしたい社会人向け【語学+α】【エクステンション】
一定の勤続年数を超えた社員に対して付与される「リフレッシュ休暇」を利用したり、スキルアップ目的で会社を休職したり、あるいは転職の合間を利用して1ヵ月~1年ほど留学する場合、単に現地の語学学校に通うだけでは、留学の成果を次の仕事に活かすには物足りない結果になるかもしれません。
せっかくある程度まとまった期間で留学するのであれば、一般英語コースだけではなく、ビジネス英語や英語試験対策のコースも受講することをおすすめします。語学学校の中には、午前中英語を学び午後からボランティアをしたり、現地企業でインターンシップを経験できたりするコースを持つ学校もあります。海外で働く経験をすることで視野が広がり、帰国後の働くモチベーションにもつながるでしょう。
また、アメリカの大学では「エクステンション」という公開講座を開講しているところがあります。社会人の留学生向けにビジネスやマーケティング、人事管理、会計学、英語教授法などのプログラムがあるので、自分のキャリアアップにつながるコースを探してスキルアップを図るのもおすすめです。
キャリアにつながる社会人のエクステンション留学について聞いてみる
会社を退職して本格的にキャリアアップ・チェンジを目指す社会人向け【大学留学】【大学院留学】
会社を退職して本格的にキャリアアップ・チェンジを考えるなら、前述の「エクステンション」プログラムのほか、今の最終学歴を上回る学位を取得することを目的に、大学や大学院へ進学するという選択肢が出てきます。
日本の大学を卒業していて、その分野を突き詰めて学びたいという人はぜひアメリカの大学院を目指しましょう。大学院へ入学するには、英語力を測るテスト(TOEFL)に加え、適正テスト(GRE/GMAT)、推薦状、志望動機(エッセイ)、履歴書などの提出が必要で、準備に非常に時間がかかるのが一般的ですが、最近は大学院進学準備コース(Graduate PathwayやPre-Master’s programと呼ばれています)を備える大学が増えてきました。
この準備コースで英語力の強化、GRE/GMAT対策、プレゼンテーションやパブリックスピーキングなどのスタディスキル、大学院課程の基礎科目を学び、同コースを修了すると大学院課程2年次に進級が保証されるので、最短で2~2.5年で修士号を取得できます。
日本で学んだ分野ではなく別の分野を学んでキャリアチェンジしたいという人は、比較的授業料が安いコミュニティカレッジ(2年制大学)にいったん入学し一般教養分野の単位を取得してから、意中の大学へ編入学して自分の学びたい分野を専攻するという方法があります。
それ以外にも、日本の大学で取得した一般教養分野の単位をアメリカの大学に移行し、アメリカの大学に編入学するという方法もあります。ただし、日本の大学で取得した単位が移行できるかどうかは、大学側の判断となり、編入学したもののあまり編入先で単位が移行できなかったというケースもあります。時間と費用を抑えられる最善の方法を探ってみましょう。
多くのアメリカの大学・大学院では、英語力が入学基準に達していない人向けに、「条件付き入学制度」を設けています。まず、大学付属の英語コースに入学し、規定のスコア、あるいは規定のレベルのコースを修了できれば入学が許可されるという制度なので、英語に自信がない人でも安心です。
中には、アメリカで働きたいという人もいるかもしれません。しかし、残念ながらアメリカには「ワーキングホリデー」の制度がないため、アメリカで自由に働く経験を積むことはできません。
アメリカで働きたい人は、コミュニティカレッジや大学、大学院に進学し卒業単位を取得したうえで、OPT(オプショナルトレーニングビザ)を取得することを目指してください。このビザがあれば最大1年間、アメリカで働くことができます。もし、そこで能力が認められればその企業から就労ビザを発給してもらい、アメリカで働き続けることができます。
いずれにせよ、会社を一度退職して留学するということは職歴に空白期間ができることになるので、その後のキャリア形成をしっかりと考えて、慎重に進学先を選びましょう。
半年以上の留学を考えている方、日本でオンラインから始めて海外に渡航する「ハイブリッド型留学」もご検討ください。 ハイブリッド型留学について詳しく知りたい方は、 「オンラインから始める新・留学。「ハイブリッド型留学」で学びをスタートさせよう」で、詳細やメリットをご紹介しています。 |
社会人のアメリカ留学に必要な費用とは?
社会人にとって最も気になるのはやはり費用のこと。留学する学校や受講するコース、留学する街、滞在方法などにより費用は異なります。ここでは、目安となる留学費用の内訳を見ていきましょう。
授業料
アメリカの語学学校に6ヵ月間留学した場合、授業料+滞在費+食費の目安で約129万円~約230万円かかります。一般的に都会にある学校のほうが高く、大学付属の英語コースは私立の語学学校に比べて高めとなります。
例)語学学校の概算費用(入学申請料+授業料+滞在申請料+滞在費+空港出迎え費) | ||
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【大学付属】 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校付属集中英語コース ([一般英語] Intensive English Communication Program 12週間) | US$10,740 |
【大都市】 | カプラン インターナショナル ランゲージ、ニューヨーク セントラルパーク校 ([一般英語] Intensive English 12週間) | US$11,495 |
【中都市】 | ELS、シアトル校 ([一般英語] Intensive English Program 12週間) | US$9,805 |
留学費用は、留学する街の物価も大きく影響してきます。大都会に住むのと郊外に住むのでは、食費や滞在費が異ります。また滞在方法を、寮にするのかホームステイにするのかでも変わってきます。ホームステイは1日2~3食の食事付きが一般的ですが、寮であれば自炊ができるところもあります。一般的にはホームステイより寮滞在のほうが高くなりますが、自炊をすれば食費が抑えられるのは、日本でもアメリカでも同様です。
半年以上の長期留学をする場合、最初は現地の生活に慣れるためにホームステイか寮がおすすめですが、慣れてきたらクラスメイトと一緒にルームシェアをしたり、インターネットの情報サイトなどでルームメイトを探したりすれば、生活費を抑えられるでしょう。
通信費
数週間の短期留学でも1年以上の長期留学でも携帯電話は必須です。アメリカでは無料でWi-Fi接続できるスポットがたくさんあるので、短期なら日本のスマホでそのままWi-Fi利用するのがいいかもしれませんが、1年ぐらいの長期で滞在するならプリペイド携帯がおすすめです。機種自体は通話とショートメール(テキスト)ができて20ドル程度。毎月20~40ドルほどで話し放題・テキストし放題というプランを選べます。アメリカでは発信側も着信側も料金が発生するので、話し放題プランにしておくほうが安心かもしれません。
交通費
これも留学する街次第でかなり異なってきます。例えばニューヨークの場合、メトロカードと呼ばれる地下鉄もバスもどちらも乗り放題のプリペイドカードがあります。滞在期間によって7日間(33ドル)か、30日間(127ドル)のカードを買えば、観光も生活も便利です。
海外旅行保険・海外留学保険
留学中は病気やケガをすると治療費は全額自己負担となり、アメリカの医療費は非常に高額になりますので、保険加入を義務付けている学校がほとんどです。クレジットカードの付帯で海外旅行保険が付いていることもありますが、年会費無料のクレジットカードなどでは補償が十分ではないケースがほとんどです。渡航してから海外留学保険の新規加入はできないので、あらかじめ滞在予定期間をカバーし加入したほうが安心です。年間30万円前後が目安です。
渡航費
航空券は出発の時期によって大きく異なります。お正月やGW、夏休みなど多くの人が休暇となる期間はどうしても高額になりがちです。自分で出発時期を決められるのであれば大型連休時期、観光シーズン期以外を狙って留学先と出発時期を決めれば、渡航費を節約できます。
交際費・お小遣い
個人差が大きいですが、現地で観光を楽しみたい人は多めにかかるでしょうし、勉強目的であまり出歩かない人ならさほどかからないでしょう。
社会人のアメリカ留学3つのポイント
最後に、社会人留学を成功させるために注意すべきポイントを3つにまとめてみたいと思います。
社会人の留学においては、リフレッシュ目的の短期留学以外は慎重に計画することが必要です。
なぜなら、学生時代の留学とは異なり社会人の帰国後の就職活動には「正規の就職活動ルート」がなく、自分で中途採用をしている企業を探し、「前職の仕事内容」、「留学で学んだ知識とスキル」、「転職先での仕事内容」のそれぞれに整合性があることを履歴書や職務経歴書、面接を通して自ら証明していかなければならないからです。
ただなんとなく留学するのではなくて、留学前、留学中に、留学をキャリアにどのように生かすかを意識した計画を立て、行動をすることが大切です。
(1)目的を明確にしておく!
まず自分が数年後、どんな自分になっていたいかを想像するところから始めて、その自分になるために何が足りないかを逆算していくと、留学の目的がより明確になるでしょう。何のスキルを上げるためにどこに留学をし、帰国後はどんな業界で働くのか、シミュレーションすることが大切です。
(2)帰国後の就職先のターゲットを決めておく!
帰国後、働きたい業界を決めるだけではなく、就職したい企業を絞り込んでおくとさらに良いでしょう。その企業の求める人材とスキルと、社会人留学で得られる知識とスキルが合致しているか事前に確認しておけば、留学先で何をすればいいかが明確になり、帰国後の就職活動がスムーズになるはずです。
(3)渡航前に英語力をできるだけアップさせ語学学習からは早く脱出する!
留学先で英語を学ぶことに時間がかかってしまうと、その先本当に学びたいことがある場合に時間を割けなくなります。時間と費用には限りがあるため、英語に注力する時間と費用を極力抑えることが、社会人留学を意味あるものにするために大切なポイントになってきます。
忙しい社会人こそしっかり留学準備
きちんと計画を立てて準備をすることで、社会人の留学にはたくさんのメリットがあります。
日本ではできない経験、取得できない知識やスキルを身に付けることができますし、日本で社会人経験があるからこそ、授業の内容の理解度や習熟度が高かったりします。また、学生とは違った視点で異文化を見たり感じたりすることができるでしょう。社会人だからこそ味わえる有意義な留学生活を送れます。
とはいえ、日々忙しい社会人が適切な留学先を探し出し、慣れない英語で手続きを進めていくのは至難の業でしょう。留学準備の過程で何度もつまずきながら情報の精査に時間をかけていく余裕はないでしょう。できればその時間を英語の勉強に費やしたほうが、同じ留学期間でもより成果をあげることができます。
留学ジャーナルでは、留学のプロが一人ひとりの希望や目的に合った的確な留学の提案から、学生ビザ取得や留学先の学校への出願に必要な書類の準備、滞在先、航空券の手配等、出発前から帰国後のキャリアサポートまでトータルにサポートを提供しています。
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