留学中の滞在方法としては、ホームステイ、学生寮、ルームシェアなどさまざまなスタイルがあります。でも、初めて留学するなら断然ホームステイがおすすめです。今回は、ホームステイのメリットとデメリット、困ったときの対処法、ホームステイを楽しむための心構えなどについて解説します。
ホームステイのメリット・デメリットとは?
そもそも「ホームステイ」とは、現地の一般家庭に滞在してその家族(ホストファミリー)と一緒に暮らす滞在スタイルのことです。一般的には部屋と食事が提供され、”家族の一員”のようにホストファミリーと生活します。海外の日常生活を体験したい人、その国の文化や習慣を肌で感じたい人、生の英語に触れながら海外生活をしてみたい人におすすめの滞在方法です。
ホームステイの具体的な魅力を5つご紹介します。
ホームステイのメリット5つ
★メリットその1:現地のリアルな生活を体験できる
ホームステイでは、ホストファミリーとリビングで会話を楽しんだり、その国の家庭料理を味わったり、週末には一緒にスーパーで買い物をしたりすることもあるかもしれません。ホストファミリーとの時間を通して、旅行や学校では経験できないその国の文化や生活習慣を肌で感じ、学ぶことができます。ものの考え方や感じ方の違いを実体験できるでしょう。
★メリットその2:実践的な日常会話が身につく
ホストファミリーとのコミュニケーションはもちろん英語なので、ホームステイ先では”英語漬け”の生活を送ることになります。日常生活で交わされる家族間の何気ない会話を聞いて学び、実際にそのフレーズを自分が使ってみることで、学校で英語を勉強するよりも速いスピードで活きた英語を身に付けることができるでしょう。短期の留学では特に、ホストファミリーとの交流は貴重な英語上達の時間になります。
★メリットその3:海外生活に慣れやすい
現地に住む一般の家庭に滞在するので、家具やリネンなどを自分でそろえる必要はありません。到着したその日から快適な生活をスタートでき、現地での生活に慣れるまでさほど時間がかからないため、勉強や活動に集中しやすい環境がすぐに整います。
★メリットその4:お金の心配がいらない
ホームステイの費用には、基本的に朝、(昼)、夜の食事代が含まれているものが多く、電気代、水道代などの光熱費も含まれています。おこづかい以外は生活費を支払うことはないので、お金の心配をすることなく留学生活を楽しむことができます。
★メリットその5:安心感がある
特に未成年の留学では、ホストファミリーは現地での親代わりです。わからないことがあればすぐ聞けるし、悩みがあればいつでも相談できる頼れる存在です。万が一、事件や事故に巻き込まれて帰宅できない場合でもホストファミリーが現地スタッフに連絡をしてくれたり、警察に問い合わせてくれたりするので初めての海外でも安心です。
ホームステイのデメリットと対処法
ホームステイは上記のような魅力がある一方、期待を裏切られるような注意すべきケースもあります。いくつかご紹介しましょう。
▲デメリットその1:ホストファミリーと相性が合わないことがある
言語や生活習慣の異なる人と一緒に住むのですから、不快に思う点や相手の言動が理解できない点も出てきます。また、ホストファミリーのなかには、留学生に部屋を貸して収入を得るというビジネス感覚で受け入れている家庭もあるため、生活の時間帯が違ったりして会話する時間がほとんどなかったり、食事が一緒にとれなかったりして、留学生が寂しい思いをするケースもあります。
▲デメリットその2:プライベートな時間・空間が少ないことがある
留学生に提供される部屋は家庭によってさまざまです。現地校でのバディプログラムなどの場合、ステイ先の子どもとひとつの部屋をシェアするケースもあります。また、ホストファミリーがフレンドリーすぎて、なかなか一人の時間を持たせてもらえないということもあります。その場合は英語上達のチャンスと思って会話を楽しみ、休みたいときは、はっきりとその旨を伝えましょう。
▲デメリットその3:ホームステイ先がネイティブスピーカーではないことがある
ステイ先が移民の家族でネイティブスピーカーではないこともあります。留学生とは基本的に英語で話しますが、英語にクセがあり聞き取りにくかったり、家族間の会話が英語以外の言語で、会話に全く入っていけなかったりするケースもあります。入っていけないからとあきらめず、英語で話しかけてみると良いでしょう。
困った時の対処方法
すべてのホームステイ先が同じではないため、上記のようなケースに遭遇することはあります。「いろいろな環境の家庭がある」のがホームステイなのです。
他の人にとっては「良いホームステイ先」だったとしても、自分には合わず「悪いホームステイ先」に感じることもあり、自分にとっての”当たり・はずれ”があることを理解しておく必要があるかもしれません。
もし、上記のようなケースにあたった場合、すぐに諦めてクレームするのではなく、まずは現地の習慣、各家庭のルールに合わせて生活する努力をしてみましょう。というのも、日本の常識が海外の常識ではないことを知るのも留学の醍醐味だからです。
それでも耐えきれない場合は、直接ホストファミリーに働きかけて改善をお願いしてみたり、現地のスタッフに相談して解決してもらえるよう要請したりしてみましょう。その自発的な行動が新たな気づきや成長のきっかけとなり、日本では味わえない有意義な経験になるかもしれません。
どうしても受け入れがたく耐えがたい場合は、一人で抱え込むのではなく現地のスタッフや学校の先生に相談してステイ先を変更してもらいましょう。
ホームステイ先の特徴
ホームステイ先は基本的に、留学する学校や留学をアレンジする仲介業者(留学エージェント)が留学生の要望を聞きながら最適な家庭をマッチングしてくれます。受け入れてくれる家庭は、子どもがいる家庭や夫婦二人暮らしの年配の家庭、移民の家庭などさまざまです。
アレルギーや、ペットの有無、禁煙の家庭など、希望が出せる項目もありますので、その場合は希望を伝えましょう。
年齢層の高い家庭→勉強に集中できる
プライベートな時間を尊重してくれる傾向にあるので、学校の宿題や課題に集中しやすいです。時間に余裕があるホストファミリーの場合、わからないことは質問すれば丁寧に答えてくれるので安心感もあります。
低年齢の子どもがいる家庭→海外の子育て事情を知れる
大人だけの家庭だと、会話がないことに気まずさを感じるかもしれません。子どもがいれば子どもを会話のネタにもできるし、子どもと遊びながら簡単な英語表現を学ぶことができます。また、子どものしつけ方や保育園・学校の様子から、日本とは違う子育ての様子や教育文化を垣間見ることができるでしょう。
留学生を複数受け入れている家庭→友達を作るチャンス
同世代の子どもがいる家庭であればベストですが、英語のレベルが違いすぎて会話が続かない可能性もあります。その場合は共通の趣味やスポーツで交流を図ると良いでしょう。また、留学生を複数人受け入れている家庭もあります。同じぐらいの英語レベルの留学生となら、恥ずかしがることなく、共に学びながら生活できます。
【番外編】自分で好きなものを選んで食べたい人、自分の時間を大切にしたい人
⇒「食事なし」のステイ先も希望できる
基本的には食事を提供するステイ先がほとんどですが、「朝だけ食事あり」など要望があれば事前に伝えておきましょう。
1ヵ月のホームステイ費用の目安
ホームステイ先を選ぶにあたっては、費用のことも考えておく必要あります。ホームステイの費用は国や地域によって結構差があります。
都会エリアでのホームステイは食費や住居費などの生活費が高いため、必然的にホームステイ費用も高くなります。一方、郊外や田舎エリアでのホームステイの場合は費用が安くなります。留学費用のなかでホームステイ費用(住居費、食費、生活費)が占める割合は小さくないので、自分の留学費用の予算内で収まる国や地域のホームステイ先を選びましょう。
ホームステイ費用は、都市部か郊外か、スタンダードかスーペリア(例えば専用シャワールーム付き)などにより大きく異なります。
また、為替レートによっても大きく変わりますが、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・アイルランド・マルタなど、英語圏の国々のホームステイ費用の目安は、1ヵ月約8万円~15万円くらいと考えておくとよいでしょう。(一人部屋・食事1日2~3食・光熱費等含む)
ホームステイの心構え
充実した留学にするにはホームステイ先での時間を充実させることが大切です。ここではホームステイをする際の心構えをご紹介します。
◎心構えその1:その国の文化や生活習慣を受け入れ、日本の習慣は持ち込まない
日本の常識では考えられないようなことに遭遇するかもしれないのが留学(海外生活)です。まずは現地の習慣に合わせながら生活をしてみることで、新しい価値観や考え方が身に付き自身の成長にもつながります。
◎心構えその2:お客様ではなく家族の一員として過ごす
ホームステイ先はホテルではありません。なんでもしてもらえると思わず、自分から手伝いを申し出たりして同じ家族の一員として行動することで、交流が深まりより良い関係になれるでしょう。
◎心構えその3:話しかけられるのを待つのではなく、自分から積極的に話す努力を
ホストファミリーの多くは何度も留学生を受け入れたことのあるベテランファミリーです。英語を学びに来ていることを理解しているので、英語が上手く話せなくて当たり前だと思っています。慣れない海外生活で緊張していることも理解しています。
恥ずかしがらずに、わからないことはわからないと伝える勇気を持ちましょう。言葉で伝えられないならジェスチャーや紙に書いたりしてもいいかもしれません。
◎心構えその4:意思表示をはっきりする
海外ではあいまいな答えは通じません。日本では察してくれるような反応でも海外では伝わらないことが多いので、「好きか嫌いか」、「快適か不便か」、尋ねられたときははっきりと自分の意思を伝えましょう。
◎心構えその5:常識を持って行動する
挨拶をする、自分の部屋はきれいにしておく、使った食器は片づける、節電や節水、戸締りを心がけるなど、常識的なことはしっかり行いましょう。
帰宅が遅くなる時や夕食がいらない場合などは事前に伝えるようにしましょう。家庭には家庭のルールがあるので先に聞いておくとお互いスムーズに生活できます。
◎心構えその6:貴重品は自分で管理する
ホームステイ先で大切なモノやお金を失くしたとしても、ホストファミリーは補償してくれません。”家族の一員”とはいえ、貴重品の管理は自己責任なので自分できちんと管理しましょう。信頼関係で成り立つ関係だからこそ、甘えすぎず頼りすぎず行動することが大切です。
ホームステイQ&A
Q1:英語がしゃべれなくても大丈夫?
A. 短期留学やホームステイの目的の多くが、「英語が話せるようになりたい」ということなので、英語が苦手でも問題ありません。受け入れてくれるホストファミリーもそのことは十分理解しています。もちろん少しでも理解できたり、話せたりしたほうがホームステイ生活は楽しくなるので、留学前に勉強しておくことをおすすめします。
特に自分のこと、家族のこと、住んでいる地域のことなどの自己紹介はできるようにしておくと良いでしょう。そして現地では、積極的に気持ちを伝える努力と、相手の言うことを理解しようとする姿勢を持って接しましょう。
Q2:ホストファミリーに渡すお土産は何がいい?
A. よく、お箸や折り紙など”日本風のもの”が喜ばれるとアドバイスしている本などがありますが、過去に何度も日本人を受け入れている家庭が多いので、そこまで”日本風なもの”にこだわる必要はないかもしれません。
ホストファミリーの家族構成、年齢を確認して、子どもがいる家庭であれば子どもが喜びそうなお菓子やかわいい文房具、女の子がいる家庭ならプチプラコスメ、100円ショップで売っている便利グッズ、アイディア商品なども喜ばれるかもしれません。高価すぎないものを選びましょう。
Q3:ホームステイに必要な持ち物は?
A. バスタオルやドライヤーは貸してくれる場合もありますが、歯ブラシや洗顔料、化粧品など個人で占有して使うものは持参しましょう。
到着後、ステイ先で使えるものを確認し、もし持参し忘れたものがあれば現地で購入すれば大丈夫です。あまり深く考えすぎず、「必要なら買い足そう」という気持ちで荷造りしてください。
まとめ
多くの人が留学するにあたり最も重要なのは、どこで学ぶかという「学校選び」だと考えられています。でも実は、充実した留学生活を送るためには生活の基盤となる「滞在先選び」もとても大切な要素です。
ホームステイはその国の習慣や国民性を知るのに最適な滞在スタイルなので、はじめての留学の人は特にホームステイ体験をしてみてください。海外に”第2の家族”ができるかもしれません!留学ジャーナルでは、留学先の学校選びと合わせて、ホームステイなどの滞在方法に関するアドバイスも行っています。出発前の「生活準備講座」や「最終ガイダンス」では、慣れるコツなどもお話していますので、不安は解消してから出発しましょう!不安なことがあれば、ぜひプロの留学カウンセラーに相談してみてください。
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