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カルチャーショックを受けたときの対処法|海外留学中の具体例を徹底解説

# 生活

# 留学準備

公開 : 2020.06.12

更新 : 2021.10.26

留学をすると多くの人が、大なり小なり、何かしらの「カルチャーショック」を体験します。海外で新しいものに接した際、驚いたり戸惑ったりすることは、ごく自然なことです。しかし、なかにはホームシックになったり海外生活自体を楽しめなくなったりする人もいます。今回は、海外生活でよくあるカルチャーショックとその対処法についてご紹介します。

カルチャーショックには4つの過程がある

カルチャーショックとは?

自分とは異なる考え方や生活習慣、文化、慣習に接した際、衝撃を受けたり戸惑ったりすることを「カルチャーショック(Culture Shock)」と言います。留学経験者のほとんどが留学中に一度は経験していると思います。

海外と日本とのさまざまな違いに新鮮さを感じたり感動したりするポジティブなカルチャーショックもあれば、あまりの違いにショックを受け自信を失い、海外生活自体に不満や不安を感じてしまうネガティブなカルチャーショックもあります。

笑って済ませられる程度の一時的なカルチャーショックであれば問題ないのですが、ショックがストレスに発展し食欲不振や不眠になったりして長期にわたってネガティブな感情が続くカルチャーショックの場合には、適切な対応策を取る必要があります。

カルチャーショックを乗り越える過程をきちんと理解し、対応する術を知っておけば必ず克服できるものです。すべてはグローバルな人間へと成長するためのステップなので、「どんなカルチャーショックが待っているかな」と楽しみにするぐらいの姿勢で留学しましょう。

カルチャーショックの過程

カルチャーショックを受けると、4段階のプロセス(※)を踏んで最終的にその新しい環境に適応していくと言われています。

(1)蜜月段階(ハネムーンステージ)
海外生活を始めて最初の数週間は、見聞きするものすべてが目新しく楽しく思える時期です。これまで知らなかった物事との出合いに感動し、新しい環境がこれまで慣れ親しんでいた環境よりも良く思える時期です。

(2)拒否段階
新しい環境に慣れ、最初は素敵に思えていたものの欠点が見えてきてだんだんその状況に不満や不安を感じ始める時期です。思い描いていた理想と現実が異なることに気が付き、新しい環境や異文化に対して拒否反応を起こし始める段階です。

留学すると、自分の英語力不足に気がついて自信を失い、「人と話すのが嫌だ」、「学校に行きたくない」と感じ始め、ホームシックになる人もいます。

また、どう行動していいか分からず混乱し、「外国人の考え方はおかしい」、「海外生活なんて嫌だ」と新しい環境を批判・否定する人も出てきます。

(3)適応移行段階
十分に落ち込んだり否定したりしたあと、「このままではいけない」、「自分が変わらないと状況は変わらない」などと、自分を見つめ直して新しい環境に慣れるようチャレンジする前向きな気持ちが生まれる段階です。

言葉や習慣、外国人の言動にも慣れ、「おかしい」「嫌だ」と感じていたことも受け入れられる気持ちになってきます。拒否段階と適応移行段階を行き来しながら、次の最終段階(適応段階)にたどり着くこともあります。

(4)適応段階
この最終段階になると、他国の文化や慣習を受け入れ、柔軟に対応できるようになります。考え方や生活習慣の違いを認め受け止めるだけでなく、共通点を見つけることもできるようになり、新しい環境のなかでも生活を楽しめるようになります。

この段階に達すると、日本に帰国したときに、慣れ親しんだはずの日本の生活に対して「逆カルチャーショック(Reverse Culture Shock)」を受けることもあります。これまで違和感のなかった日本の文化や習慣が留学先での環境とあまりにも違うため、そのギャップに戸惑う人も出てきます。

以上の4つのプロセスを経て、最終的には新しい環境に慣れ、異文化を受け入れられるように自分が適応していく=成長していくことになります。カルチャーショックで落ち込むことがあってもいずれは解決するものです。「郷に入っては郷に従え」とおおらかな気持ちで生活することが大切です。

※参考:語学学校「Kaplan International Languages」のウェブサイト

留学のカルチャーショック例

ここでは、留学生がよく受けるカルチャーショックの例をご紹介します。

コミュニケーション編

  • 出会ったばかりのクラスメイトのことを名字ではなくファーストネーム(名前)で呼ぶことさえも照れくさかったのに、先生のこともファーストネームで呼ぶように言われたときはさすがに戸惑った

  • "How's it going?(調子はどう?)"や、"What's up?(最近何かあった?)"などと聞かれて、最初は丁寧に自分の状況を伝えようとしていたが、これは"Hi!"ぐらいの軽いあいさつ程度の表現で相手はそれほど詳しい情報を求めていないことにしばらくしてから気がついて恥ずかしかった

  • "See you soon!(またすぐに会おう)"と言われ、「あとで会う約束したかな?」と不安に思ったことも。言われたことを直訳しすぎると戸惑うことが多い!

  • ホストファミリーの家族にハグされて頬を合わせられたときはすごく驚いた。その後も友人や先生などから度々されたが、なかなか慣れない...

  • クラスメイトが文法や発音もめちゃくちゃなのに、積極的に手を挙げて恥ずかしげもなく発表している姿を見てびっくり。日本人にはこんな人いない!

生活習慣編

  • 家のなかに土足で入るにはショックを受けた。しかも、靴のままベッドに寝転んだときには「やめてくれー」と心の中で叫んだのを覚えている

  • お店や郵便局などでお客さんが長蛇の列で待っているのにも関わらず、店員がぺちゃくちゃとおしゃべりしながらゆっくりと作業をしていたのは驚いた。日本なら待たせている客のことを考え、少しでも早くしようと集中して作業するのに、まったく気にしない彼らの神経の図太さにびっくりした

  • 通りすがりの全然知らない人から挨拶されたり、にこっと笑いかけられたりして、最初どう反応すればいいかかなり戸惑った

  • バスが時間通りに来ないのは当たり前。電車に到着時刻の表示もないのでつい、イライラしていたが、周囲の外国人は誰も文句を言うことなく音楽を聴いたりスマホを見たりして落ち着いて待っていたので驚いた

  • 洗剤を入れて泡だらけになったお湯に食器を付け、軽くスポンジでこすって汚れを落とすだけ。最後に洗い流さないでそのまま乾かすだけの習慣には愕然とした

  • 赤信号でも車がいなければ平気で横断歩道を渡る人があまりにも多くてびっくり

食生活編

  • 手料理というものがほとんどない。毎食、レンジでチンしたものを皿にならべるか、出来合いのものを買ってくるかばかり。日本のように野菜や肉を切って焼いたり、煮込んだりする料理が一度も出てこなくてびっくりした

  • とにかくすべてが大きい。ファストフード店のジュースのカップもやたら大きいし、映画館でポップコーンを頼むとバケツサイズのものが出てくる。こんな食生活だから体の大きい外国人が多いのも理解できる

  • ブロッコリーもカリフラワーもマッシュルームも、何でも生で食べるのには驚いた

カルチャーショックへの対処方法

留学してカルチャーショックを受けるのは当たり前で、悪い事ではありません。多くの場合、一時的にショックを受けても笑って済ませることができるでしょう。しかし、カルチャーショックを受けた後、「自分はコミュニケーションが苦手なダメな人間だ」「せっかく留学したのに目的を達成できない」などと考えて自己評価を下げたり、自己肯定感を失ったりすることが心配です。

気持ちが滅入ってホームシックになったり、海外生活を楽しめなくなったりするなど、長期間ネガティブな気持ちが続くようなら、次の対処方法を試してみましょう。

(1)カルチャーショックは誰にでも起こると認識する

慣れない環境で新しい生活を始めると、誰しもカルチャーショックを受けるものです。自分を否定する必要はまったくなく、誰もがこのような気持ちや状況を経て新しい環境に慣れていくのです。落ち込んだとしても、「これはカルチャーショックの症状であって、自分の人間性が劣っているわけではない」「自分だけではない」ことをまず認識し、気持ちを楽に保ちましょう。

(2)友達やカウンセラーに相談する

同じ国の友達や気軽に話せるクラスメイト、学校の先生、カウンセラーなどに今の自分の気持ちを正直に話してみるとよいでしょう。「私もそうだった」とか「ほとんどの人が同じ気持ちになる」ということを教えてもらえるはずです。そして彼らがどのようにその状況を乗り越えたかを聞くことで、自分の今の辛い状況を打破するヒントになります。

(3)感じたことをメモに残す

もし、相談できる人が身近にいない場合は、今の気持ちやなぜストレスを感じているのかについてノートに書き出してみましょう。自分の気持ちを書くうちに、自分の状況が整理され客観的にみられるようになり落ち着くはずです。

(4)身体を動かす・きちんと食事・休養を取る

人に話したり、ノートに書き出してみても気分がすっきりしないときは、考えるのをやめて散歩やジョギング、スポーツをするなど気分転換のために体を動かしてみましょう。また、日本食を作ってみたり美味しいものをしっかり食べたりしてゆっくり眠ることもおすすめです。生活のリズムを整え、体を健康に保つことに意識を向けると自然と元気が出てくるものです。体が元気でないと心も元気になりません。

(5)自分を成長させてくれるものだと言い聞かせる

留学をしなければ日本との違いも分からず、カルチャーショックを受けることもありません。一歩進んでみて初めて分かる世界で悩んでいることなので、まずそこにいる自分を褒めてあげましょう。そして、この悩みやストレスにいずれは慣れ、受け入れるだけの力が付くと信じてください。そして最終的には異文化に対する理解が深まり、適応できるだけの柔軟な自分になるはずです。

語学力だけでなく国際的な価値感を身に付けた将来の自分を想像しながら、辛い状況はすべて"目指す自分"になるための過程だと言い聞かせて前向きな気持ちでいましょう。時がたてば乗り越えられるはずです。

カルチャーショック対処には事前の準備も大切

カルチャーショックは悪いものではなく、自分を成長させてくれる大切な過程です。無事に乗り越えられれば語学力だけではなく、グローバルな視点を身に付けられます。

語学を学ぶだけなら日本にいてもできますが、このグローバルな視点を身に付けるには、現地で生活してカルチャーショックを受け、その違いを受け入れ理解しないと習得できません。そういった意味で、留学における成長はカルチャーショック抜きにしては語れないのかもしれません。カルチャーショックを恐れず、むしろ多くのカルチャーショックを受けておおいに成長してきてください!

留学ジャーナルでは、事前のカウンセリングや「生活準備講座」「出発前の最終ガイダンス」などで、異文化に慣れるコツや心構えを、実際の事例を交えながらお話ししています。留学やホームステイをしてみたいけれど、生活習慣や食生活の違いが気になる...という方は、まず気になる点を気軽に相談してみてください。

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