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【留学の在り方も時代にフィット】オンラインでの学びはこんなに楽しい!

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公開 : 2021.08.16

教育現場で、試行錯誤しながら実践されたオンライン教育。「教師の一方的な解説が続き、途中で集中力が切れてしまった…」このような経験から、中にはネガティブに捉えている人もいるのでは。

今、注目を集めるオンラインインターナショナルスクールの代表を務め、自身も留学経験者である松田悠介さんに、オンラインでの学びの実態について聞いてみた。

TEXT : Yuri Murakami, Ryugaku Journal
※本稿は『留学ジャーナル2021年8月号』の記事を抜粋・再編集したものです。

オンライン教育の最先端を紹介します!

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松田 悠介さん
オンラインのインターナショナルスクール「Crimson Global Academy」日本代表、海外のトップスクールへの留学支援をする「Crimson Education Japan」代表取締役社長を務める。

世界各地の優秀な教師から指導が受けられる

――コロナ禍を機に、オンライン教育への関心が一気に高まりましたね。

松田 悠介さん(以下、「松田」と表記):ええ、昨年から今年にかけて多くの方がオンライン授業を体験しました。しかしその中で、先生やクラスメートとコミュニケーションがうまく取れないなど、何かしらネガティブな体験をされた方も少なくないと思うんですね。でも実際にはメリットもたくさんあるので、そのことをお話したいと思います。

――オンライン教育の最大の利点とは何でしょうか。

松田:自宅で、世界のさまざまな場で提供されている質の高い教育が受けられるという点です。今までは近隣で評判の良い学校や先生を探すのが当たり前でしたが、オンライン学習なら世界各国の素晴らしい教師から習うことができるんです。

例えば、私が日本代表を務めるオンラインのインターナショナルスクール「クリムゾン・グローバル・アカデミー」(以下CGA)で教べんを執るのは、ニュージーランドやアメリカ、イギリスなどを拠点とする、20年以上の指導経験者が中心。

オンライン授業は教師サイドにとっても、居住地や生活環境を変えることなく世界中の生徒を教えられるというメリットがあるんですよ。

――CGAでは最新テクノロジーも採用しているそうですが。

松田:はい、それがオンライン教育のもう一つの大きな強みでもあります。CGAでは、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学などに所属するテクノロジー担当者が効率的で快適な学習環境を整備しています。

ブレイクアウトルーム機能※1やオンラインホワイトボードを活用したり、一緒に書き込みをしたりしながら、リアルタイムの双方向授業を行っています。学生たちは、先生やクラスメートと一緒に教室で授業を受けているという感覚を得られているのではないでしょうか。

授業中は生徒の頭部の位置や目線をトラッキングしています。これは成績評価を行うためではなく、生徒の注意がそれていないか教師が把握しやすくするため。また、授業は録画され、発言は全て文字に起こされます。

こういった情報は保護者へのフィードバックに使われるだけでなく、経営陣が授業の質を客観的に確認するのにも役立ちます。

※1 ブレイクアウトルーム機能:学生を少人数のグループに分けて、個別のトークルームに分けられる機能のこと。授業の参加人数が多い場合でもグループワークが可能になります。

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学びの楽しさを実感。オンラインでも友達がつくれる

――学生からはどのような感想が上がっていますか。

松田:先に述べた取り組みのかいがあり、「純粋に学びが楽しい」という方が多いですね。また、CGAの場合は通学が不要である上に、集中して効率よく学べるので、スポーツや創作活動といった自分の趣味に割ける時間が増えた、という喜びの声も聞こえてきます。

――オンラインでは友達づくりが難しいという懸念もありますが。

松田:そう心配されるのはもっともですが、実際のところCGAではSlack※2を使って生徒同士が自由に交流できます。音楽や映画、プログラミングといった部活動も積極的に行われており、同じ趣味をもつ仲間とそれぞれに楽しい時間を過ごしているようですよ。

また、授業中にディスカッションの時間が設けられているため、その中でお互いの考え方を知る機会が豊富にあるんです。通常の雑談以上に深いやり取りができ、お互いに刺激を与え合うことができます。

それに、必ずしもオンライン学習を通じて友達づくりをしなくても良いと思うんです。オンラインは充実した学びの場として存在し、実際の友達は地域のコミュニティーや習い事を通じてつくるというスタンスでも構わないのでは。

効率的なオンライン学習の結果として増えた自由時間を多彩な経験に充て、さまざまな人と出会っていければ人生が豊かになりますよね。

※2 Slack:チャットツールの一つ。複数メンバーでリアルタイムのコミュニケーションができます。

――なるほど。ところで画面越しのコミュニケーションは、場の空気が読みにくいことから、特に初回に緊張してしまう人が多いようですが。

松田:はい、私はそれもまた面白い経験だと思っています。「なんだか緊張する」というときにはこう考えてみてほしいんですよ。「どうしてこんなに緊張しているんだろう?」って。

不安な気持ちがどこから来るのかを突き止めて、それを言語化するのは、自分と向き合う際の大事なプロセス。漠然とした不安を抱いて「見えない敵」と戦うよりも、自己分析して具体的な課題を認識した方が恐怖心がずっと和らぐものです。

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留学で培った人脈や学び方がその後の人生を変えた

――松田さんは海外のトップスクールへの進学を目指す方たちのサポートにも取り組んでらっしゃいますね。コロナ禍で留学に二の足を踏んでいる方も少なくないのでは?このような状況でも留学に挑戦する意義とは何でしょうか。

松田:渡航自体が難しいことから、特に短期の留学には深刻なダメージがありました。一方で、大学や大学院への正規留学に対する関心はむしろ高まっていると感じています。将来、日本という足場を離れ、グローバルに活躍できるよう、お子さんを海外の教育機関に進学させたいと願う方も本当に増えています。

実際に留学をしたら何を得られるのかという点については、意外かもしれませんが、それはもはや「授業で得られる知識」ではないと考えています。今はMOOCなどのオンラインサービスで、ハーバード大学をはじめとする世界の一流大学の授業を、無料で視聴できる時代ですから。

――では、具体的に留学先ではどのような収穫があるのでしょうか。

松田:「本物に触れられる」ということです。私は10年以上前にハーバード教育大学院に、3年前にはスタンフォードビジネススクールにそれぞれ通いましたが、こういった大学には世界中からトップクラスの人々が集まっています。

そういった人たちと知り合い、切磋琢磨しながら交流できることこそが、留学の醍醐味ではないでしょうか。

そのようにして得た人脈は一生涯。実際に今、ビジネスをするにあたって、私が一番に頼りにしているのが当時のコミュニティーです。留学はそれ自体が豊かで素晴らしい体験ですが、同時にこのような実利的な便益をももたらしてくれる可能性を秘めています。

――考え方や姿勢にも変化がありましたか。

松田:ええ。私がアメリカの大学院で得たのは知識よりも「学び方」です。事前にさまざまな情報やデータをインプットし、教室はアウトプットの場と考えるのが、欧米のスタイル。

授業中にそう何度も自分に発言の機会があるわけではないので、そのわずかなチャンスにどれだけ研ぎ澄まされた意見を言えるかという点が重要になってきます。

うまくいかなかったときには、次は同じような思いをしないようにと徹底的に分析して対策を練ります。その姿勢は2度の留学を通じて完全に染みつき、今も大きな強みとして私のキャリアを支えてくれています。

――読者に向けたメッセージをお願いします。

松田:人間には、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用があると言われているので、新たな一歩をなかなか踏み出せない方もいるかと思います。しかし、その人の思考の土台になるのは、あくまでそれまでに積んできた経験。経験の幅が狭いままで物事を考えても、限界があります。

留学とは、未知の体験やさまざまな人との出会いを通して、その思考のキャパシティーを一気に広げられる機会です。「外国で学ぶ勇気がない......」とちゅうちょしている場合でも、今はオンライン留学から始めてみるという選択肢もあります。少し背伸びをして、できそうなことからチャレンジする。それを繰り返していき、「自分を広げる」楽しさを実感してもらえたらなと。

それに、私は今まで「留学をして後悔した」という人には出会ったことがありません。なぜかというと、周囲に流されて決めたのではなく主体的に意思決定をしているからなんですね。

皆さんも、留学も含めて自分が本当にしたいことが何かを考え、まずはそれに対して一歩を踏み出してみてください。きっとそこから世界が開けていきます。

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留学ジャーナル2021年8月号では「変わる留学」をテーマに、変化した留学の"今"をご紹介しています。withコロナのリアル留学を実現する方法や、コロナ禍の留学体験談など盛りだくさんの内容です。雑誌の立ち読みはコチラへ。


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