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留学で自分が変わる、留学で新しい自分を見つける あなたの留学、「何色」ですか? Vol.3

# 雑誌留学ジャーナル

公開 : 2021.09.16

2021年、留学ジャーナル社は創業50周年。スローガンである“世界は思っているより「カラフル」。”をテーマに、留学が人生のターニングポイントとなった人をインタビュー。

今回は、女性向けキャリアデザインスクール「SHElikes(シーライクス)」を運営する、株式会社SHEのCEO・福田恵里さん。大学生時代の留学がきっかけで現在の会社を立ち上げることにつながったのだという。多様性に富んだカラフルな世界で、自分の色を見つけるまでのストーリーとは?

TEXT : Natsuko Nose, Ryugaku Journal
※本稿は『留学ジャーナル2021年8月号』の記事を抜粋・再編集したものです。

何者かになりたくて自分を取り巻く環境をがらりと変えた

「留学中の気付きが今の自分のルーツになっています。そのぐらい、自分の人生が留学で変わったなっていう実感があるんです」

福田恵里さんは、大学時代にサンフランシスコへ9ヵ月、韓国へ4ヵ月の語学留学をしたときの経験をこう語る。

「当時はサークルとバイトと飲み会しかしていないような大学生でした。それでもそんな自分を変えたい、何者かになりたいという思いはずっとあって。 サークルを引退した後、休学をして大学4年次に留学をしました」

現在の福田さんは、Webデザインをはじめとしたクリエイティブスキルを学べる、女性向けキャリアスクールを運営するSHE株式会社の代表取締役として多忙な日々を送っている。"人生を変えた"という福田さんの留学は、現在のキャリアにどう影響を与えたのだろう。

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留学で気付いた自分の意見を持つことの大切さ

「大学ではスペイン語を専攻していたのでスペイン語話者が多いアメリカ西海岸を留学先に考えていました。それと、小さい頃に見ていたドラマ『フルハウス』の影響でサンフランシスコに憧れもあったんです。実際に降り立ってみると、LGBTQフレンドリーな街で自由度の高い人たちにカルチャーショックを受けることもありました」

語学学校にはさまざまな国からの同年代の留学生がいた。彼らと仲良くなるにつれて気付かされたのは、言語の前提にあるものの重要性だったのだという。

彼らは英語がうまく話せないからって、物怖じしない。それはきっと、伝えたいことがあるから。単語や文法を間違っても恥ずかしがったりせず、身ぶり手ぶりを交えてでも、コミュニケーションを取ろうとする姿勢に驚きました。環境や政治問題に関して、私より年下のクラスメートが自分の意見を持ち、ディスカッションができているのに対して、語学力以前に知識も意見もない私。自分を恥ずかしく思いました」

どれだけ英語が話せるようになっても、伝えることがなければ意味がない、と気付かされた経験だった。それでも留学3ヵ月目で「あれ?私、英語をしゃべれている」と実感できたときは素直にうれしかった。語学力の向上に比例して、自分の意見を持ち、伝えることも徐々にできるようになっていったという。

「言葉って表面上でのコミュニケーションでしかなくて、その人の思考の上澄みなんだと学んだ部分もありました。上手に英語を話せる、話せないは関係なく、その人の人柄や優しさ、思慮深さは行動面に表れてくるんだなって。語学を学びにいった留学先で、皮肉にもそのことに気付きましたね」

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その後の人生を変えるきっかけになった"魔法"との出合い

自分を変えたい、何者かになりたいと思っていた福田さんは、留学先で人生を一変させる出合いを果たす。

「起業家のミートアップに参加したり、カリフォルニアの大学に通っている学生や現地の人を紹介してもらったりする中で起業するために来たっていう同い年の大学生と出会ったんです。会うたび投資家へのプレゼンの話とか開発中のものを見せてくれたりして。ある日パソコンのコンソール画面に暗号みたいなものを打ち込みつつ、それをビューアーで見せてくれたんです。そしたら、いつも自分が携帯で使っているようなアプリになっていて。魔法みたい!って、感動しました

 その魔法に魅せられた福田さんは、基礎的なIT用語や、プログラミングの方法を少しずつ学び始める。

「これをできるようになれば、自分が欲しいと思っているアプリも作れるようになるんじゃないかと思うと、猛烈にやりたくなったんです」

留学先で次なる目標を見つけ、帰国後もスクールや独学でプログラミングの勉強を続けた。しかし、スクールに足を運ぶうち、同じ場に女性がいないことに疑問を抱きはじめたのだという。

「『プログラミングって難しそう』という先入観が邪魔しているからだと思いました。アイデア豊富で作りたいものがある女性も多いはず。それを実現するためのスキルを学べる場があれば、もっと世の中にステキなサービスが増えるのにって」

当時、国内におけるエンジニアの全体数は少なく、それゆえ女性にフォーカスしたデザインやプログラミングを教えてくれるところはなかったという。福田さんはここに目を付け、大学在学中に制作会社でインターンをする傍ら、女性向けのWebデザインスクール「Design Girls」を立ち上げる。これが現在の「SHElikes」へとつながっていく。

留学という行動を起こしたことで、人生がカラフルに

留学中の出合いから起業まで果たし、行動力にあふれた印象の福田さんにも、実は意外な過去の姿が。

「なんとなく人は努力しても変わらないんじゃないかと思っていたんです。やる前から締めて、行動しない自分がいました」

そんな風に考えていた福田さんだが、留学前に読んだ本で、こんな言葉を目にする。

"人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える。" 起業家の大前研一さんの言葉に、ハッとさせられました。意識で変えられないのであれば、変われる環境をデザインしなくてはと。自分にとって、それがまさに留学でした。留学で本当に自分が変わった経験をしたので、アクションさえ起こせば、人はいつでも変われると心から信じられるようになりました。それは会社を運営する今でも、自分の中の強い軸になっています」

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福田さんにとって、留学は何色だったのだろう?

欲張りなんですけど、レインボーです。私が思うサンフランシスコのシンボルカラー!多様性のある街で、多様な考えを吸収して、人生がカラフルになりました。留学って語学面に限らず、今まで知らなかった世界を見せてくれると思うんです。そこから、自分の考えを広げ、人生が変わるような経験を得られたりするので。意志を持って行動すれば人生は変わる。だから、皆さんも留学するチャンスがあるならつかんで欲しいなって思います」

【プロフィール】
プロフィール/ふくだ・えり。1990年生まれ。大学時代に2年間休学し、アメリカと韓国へ語学留学を経験。帰国後、現在の会社の前身となる女性向けWebデザインスクールを立ち上げ、就職後も二足のわらじで活動を続ける。2017年にSHE株式会社を創業、女性向けキャリア&コーチングスクール「SHElikes(シーライクス)」の運営を開始。2020年5月にはCEO就任と同時に産休・育休へ。現在は復帰し、CEO業務の傍ら自らもWebデザインコースの講師を務める。

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