
海外の大学には、学位取得を目的としない留学生が参加できるプログラムがある。内容はもちろん、求められる英語力や期間もさまざまで、選択肢は豊富だ。海外の大学に休学留学や認定留学をしたい人は、自分の学びたいことと英語力の両方からプログラムを絞り込んでいこう。
TEXT : Ryugaku Journal
※本稿は『留学ジャーナル2021年11月号』の記事を抜粋・再編集したものです。
プログラム・授業の主な種類
語学プログラム
語学力向上を目指す留学生向けの外国語授業のこと。読む・書く・聞く・話すの4技能をはじめ基礎力を付ける一般語学コースの他、学校によりビジネスの場に生かせる表現などを学ぶコースなどがある。提携の語学学校がキャンパス内で開講しているケースもある。
●必要な英語力の目安:初級~
専門プログラム
フルタイムの正規学生以外(主に現地の社会人)を対象にした授業のこと。日本の大学に在籍中の学生が参加可能なコースもある。学べる分野はビジネスやツーリズム・ホスピタリティ、ITなどさまざま。実践的なカリキュラムで修了証が発行されるものが多い。
●必要な英語力の目安:TOEFL iBT 70以上、IELTS 6.0以上
学部授業
留学先の大学で行われる学士課程の授業のこと。学校により1学期間~1年間、留学生が科目履修生として現地の正規学生(本科学生)と一緒に学び、単位を取得できる。ただし取得単位を日本の大学に移行できるかどうかは、日本の大学の判断によるので注意。
●必要な英語力の目安:TOEFL iBT 80以上、IELTS 6.0以上
語学学校の英語+学部授業コース
語学学校によっては英語コースを受けた後、提携大学の授業を受けられるプログラムを設けている。今回は、『留学ジャーナル 2021年11月号』に載っている3つのプログラムをご紹介。大学のプログラムだけにこだわらなければ、選択の幅がより広がるだろう。
International Language Academy of Canada (ILAC)

International Language Academy of Canada (ILAC)[インターナショナル ランゲージ アカデミー オブ カナダ]は、カナダのトロントとバンクーバーに校舎を持つ大規模校。
一般英語コース以外に進学準備用のパスウェイコースもあり、修了するとTOEFLスコア免除で80校以上の提携大学やカレッジに進学できる。なお下記のプログラムを利用した場合、対象大学・カレッジは全4校。
GAP Year Academic Programs【ILAC→Thompson Rivers University】
ILACで英語を学んだ後、提携しているカナダのカレッジや大学の授業を受けて単位を取得できるプログラム。
Step.1 ILAC University Pathway Program
進学準備コースでアカデミックスキルはもちろん、タイムマネージメントやプレゼンテーション、リサーチスキルを身につける。
Step.2 Thompson Rivers University (TRU)
学士課程1年生向けの授業を4科目(12単位)履修可能。専攻例はデジタルアート&デザイン、犯罪学、社会学など。
期間 | ILAC:1学期間(4ヵ月間) TRU:1学期間(4ヵ月間) | |
開始日 | 年3回/2022年は1/10(月)、5/9(月)、以降は未定 | |
必要な英語力 | ILAC:レベル10以上(準上級)※ TRU:レベル14以上(超上級) | |
その他の受講資格 | 19歳以上 | |
授業料 | CA$15,800 |
※英語力が足りない場合はGeneral Englishコースから始めることも可能。規定のレベルに達すればこのプログラムを開始できる。
INTO University Partnerships

INTO University Partnerships[イントゥー ユニバーシティー パートナーシップ]は、アメリカ、イギリス、中国で進学準備プログラムや英語プログラムを提供している教育機関。
センターの多くが提携大学24校の構内にあり、受講生は大学の施設やサービスを利用できる。一部校舎では下記の学部聴講プログラムを受けられる。
Study Abroad with English【INTO→University of East Anglia】
INTOで最低1学期間、進学準備をした後、提携大学の学士課程の授業を受け単位を取得できるプログラム。
Step.1 INTO Intensive English DATA
スタディーセンターにてフルタイムで、大学での学びに必要な英語力と学習スキルを集中的に身につける。
Step.2 University of East Anglia (UEA)
通常は1学期当たり学士課程の3科目を履修する。ただし3科目のうち2科目は、同じ学部内の科目でなければならない。
期間 | INTO:1学期間(3ヵ月間) UEA:1~3学期間(6~12ヵ月間) | |
開始日 | 年3回/2022年は4/11(月)、7/11(月)、10/3(月) | |
必要な英語力 | INTO:IELTS 5.0以上またはそれ相当※ UEA :IELTS 6.0以上(各パート5.5以上)またはそれ相当 | |
その他の受講資格 | 16歳以上、大学1年次修了以上 | |
授業料 | 2学期間の場合、£10,745 |
※英語力が足りない場合はAcademic Englishコースから始めることも可能。規定のレベルに達すればこのプログラムを開始できる。
EC

マルタに本部を構え、全6ヵ国に展開している学校。一般英語、ビジネス英語、シティー体験英語など、さまざまな語学コースを設けている。進学準備プログラムもあるが、現地大学の授業を受けられるのは、マルタ校の下記プログラムのみ。
Gap Year Program【EC→University of Malta (UM)】
1~2時間の学士課程の授業を週当たり3~4日受講する。基本的に、日本の大学の専攻の関連科目を学ぶこととなる。
Step.1 EC General / Intensive English
Generalは週20レッスンで4技能を鍛える。IntensiveではGeneralの授業に加え、スキル別トレーニングを週10レッスン受ける。
Step.2 University of Malta (UM)
1~2時間の学士課程の授業を週当たり3~4日受講する。基本的に、日本の大学の専攻の関連科目を学ぶこととなる。
期間 | EC:8週間以上を推奨 UM:1学期間(4ヵ月間) | |
開始日 | EC:毎週月曜日 UM:スタート時の英語レベル、受講科目や試験の有無による | |
必要な英語力 | EC:レベルB1+以上(中級以上) UM:レベルB2修了以上(中上級修了以上) | |
その他の受講資格 | 日本の4年制大学に在学していること | |
授業料 | EC:EUR2,720(週30レッスンのIntensive Englishを8週間受講の場合) UM:EUR2,110(文系専攻)、EUR2,670(理系専攻) |
※大学プログラム費は、1学期14単位分(3~4科目基準)を受講した場合の例。出願料、入学金、サポート費用を含む。
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