昨今の円安やアメリカ国内での物価高騰は、留学を考える人にとって大きな悩みとなっています。そんな中、現在アメリカに留学中の学生はどのように留学費用をやりくりし、生活しているのでしょうか。円安、物価高の中での留学は現実的なものなのでしょうか。ワシントン州・シアトル近郊にある「Edomonds College」(エドモンズ・カレッジ)に通う日本人留学生に、留学費用の節約方法や現地でのアルバイトについてお聞きしました。
現地留学生に聞く!アメリカ留学費用を抑えるコツ
教えてくれたのは
山本 拓未さん
University of Montana(モンタナ大学)で1年の留学を経て、コンピューターサイエンスを学ぼうとEdmonds Collegeに入学。現在、在学2年目で、アメリカ大学生活に日々奮闘中。卒業後は4年制大学に編入し、学士号を取得予定。
円安とインフレの影響で日本からの留学費用はますます高騰していますが、留学費用を抑えるコツはありますか?
Edmonds Collegeでは、留学生でも受給できる奨学金がたくさんあります。私は”FD Annual Scholarship”に選ばれて、年間でUS$1,600の奨学金が支給されています。
奨学金に選ばれるには、学業がいいことはもちろん、何かに秀でていることが求められます。特にスポーツや化学は他の分野に比べて奨学金が受給しやすく、奨学金の枠が多くありますが、それ以外の分野でもチャンスはあります。
実際、私が受給している奨学金は成績を元に決められていて、特別な能力が求められているわけではありません。そのため、一般の留学生は高い成績を取ることを目標にするといいと思います。
生活費を抑えるために、何か工夫していることはありますか?
アメリカで物価上昇が続く中、生活費を抑えるのは大変だと思います。私がしていることの一つは、基本ですが自炊をすること。アメリカでの食費は日本とは比べものにならないくらい高いので、食費を抑えることで生活費の節約につながります。
Edmonds Collegeにはフードパントリー(食料配給所)があり、週に一度そこで野菜やパスタ、お米をもらえます。また、現地の野菜は安価で売られているので、料理ができれば食費を抑えられます。ある時は、1ヵ月の食費がUS$20だけの月もありました。日本食ばかり作ろうとすると、どうしても調味料や食材が高くなってしまうので、海外にいるのを機にエスニック料理や、メキシコ料理など新しい味を楽しんでいます。
特に、昼食は持参するようにしています。学校の周りには日本にあるようなコンビニはなく、販売されているフードの値段も日本のコンビニほどお手頃ではないです。昼食を購入した場合、1回US$13ほどかかります。週に4日学校があるため、昼食代だけで1ヵ月でUS$208程必要になる計算です。昼食代を抑えられると、大きく節約できます。
現地でアルバイトはされていますか?
基本的にアメリカの学生ビザでは働くことはできませんが、学校が募集している仕事であれば留学生でも働けます(一定の条件を満たしている場合)。仕事はさまざまで、イベントの運営、受付、ショップ店員など。現在の給料は1時間あたりUS$15ほど、1週間で19時間まで働けるので、ひと月最大US$1,000近く稼げます。
私は”The Green Team”という環境保護推進クラブでイベントコーディネーターとして働いています。仕事としては、Edmonds Collegeの学生にリサイクル、地球環境保護、生態系維持の重要性を伝える啓発活動で、10月のSustainability Dayや4月のEarth Monthなどを中心にイベントを開催しています。アメリカで働くことは、もちろん英語力を高められますし、なによりアメリカの職場環境を知れるので、かなりおすすめです。少しハードルが高いかもしれませんが、面接だけでも試してみる価値はあります。
留学費用を抑える3つの工夫を深掘り
山本さんのように、現地でアルバイトをしたり、奨学金に応募したり、外食を控えて自炊したり、留学費用を抑えるための工夫は色々あります。上記で挙げられていた工夫について、Edomonds Collegeを例に、もう少し深掘りしてご紹介します。
1.アルバイト代を費用の足しにする
アメリカでは学生ビザで働くことは基本的にできませんが、一定の条件を満たしている場合には大学内のアルバイトは可能です。Edmonds Collegeの場合、学内アルバイトの時給は、最低賃金のUS$15.74から募集があり、週19時間まで働けます。英語力は問われませんが、やる気があり、TOEFL iBT54以上あれば支障なく仕事ができるでしょう。アルバイトは金銭的な補塡になることはもちろん、他の現地学生との交流も図れ、さらにアメリカで働くという経験ができるため、留学生にとって大変良い機会になります。
2.留学生全員を対象にした奨学金を利用する
日本では、成績優秀者やスポーツ選抜者など限られた学生へのみの奨学金、または返済が必要な奨学金が一般的ですが、Edmonds Collegeでは全留学生を対象にした奨学金支給を含め、さまざまな奨学金を提供しています。
1.留全学生対象の奨学金
対象 | 2025年春学期までに入学する留学生全員 |
支給額 | 1学期US$500、最大3学期までの合計US$1,500 |
応募資格 | F-1/F-2ビザの留学生 1学期12単位以上の登録が必要 |
継続支給 | 最大3学期まで自動的に支給される |
(参照)Edmonds College Webサイト「COSTS 2023-2024/$500 Tuition Reduction Until Spring 2025!」
2.留学生対象:OIP奨学金
対象 | 新入生(Edomonds Collegeに初めて入学する留学生) |
支給額 | US$1,000 |
応募資格 | F-1/F-2ビザの留学生 GPA 3.3以上 |
継続支給 | 毎学期申し込みが必要 |
対象 | Edomonds Collegeの在校生 |
支給額 | US$300 |
応募資格 | F-1/F-2ビザの留学生 GPA 3.5以上 |
継続支給 | 毎学期申し込みが必要 |
(参照)Edmonds College Webサイト「SCHOLARSHIPS」
3.留学生対象:学長から支給される奨学金
対象 | Edomonds Collegeに入学する新入生 |
支給額 | US$1,000 |
応募資格 | F-1/F-2 ビザの留学生 GPA 3.5以上 |
継続支給 | 毎学期申し込みが必要 |
※新入生は、奨学金2と3どちらへも応募が可能ですが、支給されるのはどちらか1つのみとなります。
4.夏学期入学限定:Resident Tuitionで受講可能
夏学期を新入生としてフルタイム(12クレジット以上)でクラス登録をすると、Resident価格の授業料に!
支給額 | フルタイム平均15クレジット履修の場合:US$3,600→US$1,600に |
条件 | 夏学期に12クレジット以上クラスを登録すること |
3.節約する工夫は他にも!フードパントリーサービス
自分でできること以外にも、学校が提供するサービスを最大限利用して費用を抑えることもできます。
例えば、Edomonds Collegeでは、食費に苦しむ学生や職員のためにフードパントリー(食料配給所)を設けています。フードパントリーには、日持ちの良い缶詰やドライフルーツ、米、穀物、パスタなどの他に、衛生用品などもあり、週1回無料で受け取れます。
その他にも、生理用品などのサニタリーグッズが無料で受け取れるウェルネスセンターや、異文化での生活の悩みなどを相談できる無料の学内カウンセリングセンター、授業で分からなかったところを個別に教えてもらえるチューター制度などのサービスが無料で提供されています。
こうした学内で提供されるサービスを惜しみなく活用することで、生活費を抑えるだけでなく、メンタルヘルスケアや学力維持など、より充実した留学生活を送れるので、利用しない手はありません。
アメリカ留学の滞在費の目安はいくら?
留学費用を抑える工夫について詳しくご紹介しましたが、学費と同等、もしくはそれ以上に出費がかさむ現地での滞在費はどれくらいなのでしょうか?滞在費は州や地域などによって大きく異なりますが、ここでは、ワシントン州、シアトル郊外にあるEdomonds Collegeの学生寮とホームステイ費用を例にご紹介します。
●学生寮滞在の場合
学期 | 滞在費 |
2024 秋学期 | US$3,750 |
2025 冬学期 | US$3,750 |
2025 春学期 | US$3,750 |
2025 夏学期 | US$2,250 |
Edmonds Collegeの学生寮Rainier Place Residence Hallの4シングルベッドルームに滞在した場合の寮費はおよそUS$3,750。食費は含まれていないため、上記値段に加え、食費が約US$100~外食が多い場合はUS$500程かかります。
●ホームステイ滞在の場合の費用
学期 | 滞在費 | アクティビティ参加費 | 対象日 |
2024 夏学期 | US$2,616.30 | $25.00 | 6/24~9/12 |
2024 秋学期 | US$3,488.40 | $25.00 | 9/13~12/29 |
2025 冬学期 | US$2,939.30 | $25.00 | 12/30~3/30 |
2025 春学期 | US$2,939.30 | $25.00 | 3/31~6/29 |
ホームステイの滞在費は学期ごとに異なり、ルーム代に加え3食付きで1学期およそUS$2,500~US$3,500となります。滞在費用に食費も含まれているため、学生寮より滞在費を抑えられます。
充実した学生サポートが魅力なEdomonds Collegeとはどんな学校?
メインキャンパスは、シアトル市内から車で30分ほどの閑静な住宅地、リンウッドにあります。近くにはショッピングモールがあり、スーパーやレストラン、薬局などは徒歩圏内にあるため生活するにも便利な環境です。
2年制大学には珍しく、キャンパス内に学校寮があるのも魅力の1つ。留学生の多くは4年制大学編入コースに在籍しており、ワシントン州内の大学をはじめ全米各地の大学に進学しています。セントラルワシントン大学との提携を利用して、同大学の学士号を取得できる専攻もあります。
概要
創立 | 1967年 |
総学生数 | 10,300名 |
留学生数 | 860名 |
滞在の種類 | 学生寮、ホームステイ |
入学条件
カレッジ入学の英語力の目安 | TOEFL iBT54(Writing16)、IELTS5.0(全てのバンドで4.5以上)、Duolingo75 |
入学願書締め切り | 3月、6月、8月、12月 |
カレッジ入学時の英語制度 | 条件付き入学制度あり |
集中英語コース | あり |
年間費用(目安)
授業料 | US$11,316 |
教科書代等 | US$600 |
健康保険 | US$1,096.20 |
滞在費(ホームステイ費と食事含む) | US$8,888.80 |
合計 | US$21,901 |
Edmonds Collegeに進学したいなら
留学生の経験を元に、アメリカ大学留学の費用節約術、Edmonds Collegeが提供する奨学金や学生向けサービスについて詳しくご紹介しましたが、アメリカ大学留学が少し現実的に見えてきたでしょうか。
Edmonds Collegeについてもっと詳しく知りたいという方や、アメリカへの大学進学をお考えの方は、お気軽に留学ジャーナルへお問い合わせください。経験豊かな留学ジャーナルのカウンセラーが一人ひとりのニーズに寄り添い、あなたにぴったりの留学をご提案します。
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