留学ジャーナルコラム

【外務省からのお知らせ】留学&ワーキングホリデーが決まったら「在留届」提出、「たびレジ」登録を!

海外留学が決まり、現地校の入学手続きが済んだら、出発前にやるべきことのひとつが「在留届」の登録です。外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する場合、その地域を管轄する日本大使館または総領事館に「在留届」を提出することがすべての日本人に義務づけられています。「在留届」を提出すると、現地での生活に必要な最新情報を受け取ることができます。また、3か月未満の旅行や短期滞在の場合は、「たびレジ」に登録することで、同様の情報サービスを受けられます。外務省領事局邦人テロ対策室の栗本知彦室長(当時)に話を聞きました。

外務省領事局邦人テロ対策室長(当時)
栗本知彦さん

目次

留学先の安全情報を随時配信!出国前でもネットから登録可能

海外生活では、自然災害や社会情勢の変化、犯罪など、さまざまなことが起こります。日本にいれば、家族もいますが、海外では頼れる知り合いがいないこともあるでしょう。こうしたリスクから日本人を守るため、外務省が提供しているのが「在留届」および「たびレジ」のサービスです。

いずれも海外に滞在する日本人に向けた、プッシュ型の海外安全情報提供サービスです。現地の治安状況、デモ、災害、入国規制、詐欺事件、外出禁止令など、多岐にわたる情報をメールやLINEを通じてタイムリーに届けています。現地で爆発事件や大規模なデモなどが発生したとき、「今はこのエリアには近づかないでください」といった具体的な注意喚起も行います。このサービスによって、日本人が現地でトラブルに巻き込まれるリスクを事前に回避できたケースもあります。

登録はいずれもオンラインで簡単にできます。出国前でも登録できますので、留学先に到着してから焦る必要もありません。また、留学中の学生を持つ保護者の方々にも「たびレジ」にぜひ登録いただきたいです。一つの登録で、複数のメールアドレスが登録できますので、現地にいるお子さんと同じ情報を日本にいながら受け取ることができます。

たびレジサイト:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

お子さんに「今、こういう情報が届いているんだな」と把握できるだけでなく、連絡が取れないときにも、一定の安全確認ができます。逆に、登録がないと日本人留学生がそこにいることを外務省(大使館・総領事館)が把握できません。もし重大な事件・災害が発生しても、個別の安否確認ができない、もしくは対応が遅れてしまうことになります。「自分だけは大丈夫」と思っていても、情報が届かず、危険な地域に足を踏み入れてしまうこともあります。必ず登録するようにしてください。

「たびレジ」公式Instagramで体験談を発信中

「在留届」「たびレジ」の登録者から感謝の声をいただくこともあります。最近は、「たびレジ」の公式Instagramで、『想像以上に「たびレジ」に助けられた話』という体験談も発信しています。

たびレジ公式Instagram:https://www.instagram.com/tabiregi_official/

体験談で印象的だったのは、新型コロナの初期、現地の情報が制限され、何が真実かわからない中で、外務省が発信した日本語の正確な情報が「非常に役に立った」という声です。また、海外で地震に遭遇した日本人旅行者からは、「交通機関の停止情報などをリアルタイムで受け取れたおかげで、安全にホテルまで戻れた」といった話も届いています。ある方は、デモ情報を受け取って現地の抗議活動を避けて帰国。帰国後、実はそのデモが激化して、100名以上が亡くなる暴動に発展したというニュースを見て、肝を冷やしたそうです。

誰かに話すことで救われることもある

高校生、大学生の皆さんにとっては、海外生活が初めてというケースも多いでしょう。不安なときは、友人やホストファミリー、先生、そして現地の大使館や総領事館にも、遠慮なく頼ってください。「在留届」や「たびレジ」は、そうした不安を和らげる大事なツールです。必ず登録して、いざというときに役立ててほしいと強く思っています。社会人の方も滞在期間が長くなると現地の危機感覚が麻痺しがちです。私たち自身もそうですが、「慣れ」が一番危険です。現地でどんなに日常的に過ごしていても、大使館や総領事館からの注意喚起は常に真摯に受け止めてほしいと願っています。

最近は、海外で日本人が不法行為に巻き込まれたり、心の病を抱えたりする例も少なくありません。「在留届」や「たびレジ」の情報でそうした兆候を知ることもできるでしょう。ただ、何より大切なのは「困ったら相談する」こと。大使館・総領事館には遠慮なく連絡してほしいと思います。

メンタル面の不安については、大使館・総領事館から適切な外部機関を紹介することも可能です。誰かに話すことで救われることもあります。日本語で話せる人が周囲にいない状況は、心細さが増します。だからこそ、何かあったときにすぐアクセスできる情報のライフラインを「在留届」や「たびレジ」を通してつないでおいてほしいと思います。

在留届&たびレジQ&A

留学に出発する前に「在留届」の提出はできる?

住所が決まっていなくても、現地到着の90日前からオンラインで「在留届」の提出が可能です。同様に「たびレジ」の事前登録もできます。

留学中に滞在先を変更する場合はどうすればいい?

「在留届」の登録内容が変更になった場合は、転居先の大使館・総領事館に「変更届」を提出してください。オンラインでも提出が可能です。

留学先から帰国したときはどうすればいい?

日本に帰国する予定が決まった場合、すでに帰国した場合は、留学中の滞在先を管轄していた大使館・総領事館に「帰国・転出届」を提出します。オンラインでも提出が可能です。

お問い合わせ

外務省領事サービスセンター:03-3580-3311(内線2902、2903)

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