現地の家族と一緒に暮らすホームステイでは、学校や旅行では学べないたくさんのことを学ぶチャンスが広がっています。充実したホームステイ生活にするには、受け入れてくれる家族=ホストファミリーと良好な関係を築くことが一番大切です。
今回は、ホストファミリーと打ち解け、仲良くなるためのポイントやおすすめのお土産、ホストファミリーへ手紙やメールを送る際のポイントなどをご紹介します。
ホストファミリーと仲良くするには?
留学するにあたり、ほとんどの人がホストファミリーと仲良くできるか不安に思うことでしょう。今までまったく知らない人、しかも使う言語も生活習慣も違う人たちとひとつ屋根の下で生活を共にするのですから、不安に思わないはずがありません。でも、これからご紹介する仲良くするためのポイントをおさえておけば大丈夫。ホストファミリーと良好な関係を築くことができるはずです。
まず、大前提として、ホストファミリーは留学生の受け入れに慣れている家庭がほとんどなので、留学生が、英語力の問題や生活面で不安を感じていることは十分に理解しています。過剰に緊張することなく、自分を取り繕うことなく、ありのままの自分で接することが大切です。
ホストファミリーと仲良く過ごすためのポイントは、
(1)話しかけられるのを待つのではなく、自分から積極的に話しかける
(2)自分の意見をきちんと伝える
(3)その国の文化や生活習慣を受け入れる
(4)常識を持って行動する
の4つです。それぞれについて詳しく解説します。
(1)話しかけられるのを待つのではなく、自分から積極的に話しかける
ホストファミリーは、学生の多くがホームステイの主な目的が「英語の習得」であることを理解しています。英語が上手に話せないからといって、恥ずかしがる必要はまったくなく、むしろ、「こんな時、どう言ったらいいの?/ How do I say in English?」などと聞いてみると、積極的な姿勢に好感をもってくれるでしょう。
受け入れる側のホストファミリーも、相手がどんな性格なのか、快適に生活させてあげるにはどうすればいいのか、特に最初は様子を見るはずです。自分から話しかけてこない学生に対しては、あまり話しかけてほしくないタイプの学生かもしれない、と会話することをあえて遠慮するかもしれません。
ホームステイ先で英語を学びたい人や異文化体験をたくさんしたい人は、自分から積極的にホストファミリーに話しかけることが大切です。
話のネタは、学校での出来事や自分が遭遇したハプニングなどなんでもいいのです。思いつかない人は、学校の宿題で分からないところを聞いてみたり、おすすめの観光地を聞いてみたり、「これは英語で何という?/ What is the word in English?」など分からない単語やフレーズを質問したりしてみるとよいでしょう。
(2)自分の意見をきちんと伝える
日本では察してくれるような反応でも海外では伝わらないことが多々あります。留学経験者の失敗談で、嫌いな食べ物のことを伝えられず我慢して毎日食べ続けたという話もよく聞きます。ホストファミリーとしても、学生が我慢して過ごしていたと知ったら悲しむはずです。「好きか嫌いか」、「快適か不便か」、気になるところははっきりと自分の意思を伝えることがお互いのためです。そうすることで信頼関係も生まれてくるでしょう。
(3)その国の文化や生活習慣を受け入れる
留学(海外生活)では、日本の習慣や常識では考えられないようなことに遭遇します。でも、まずはホームステイ先の生活習慣やルールに合わせながら生活をする努力をしてみてください。国や地域によって生活習慣やルールが異なることを受け入れてみることで、文化や価値観、考え方の違いに気づくことでしょう。この経験によって自分の視野が広がりグローバルな人間へと成長していけるはずです。これこそが留学の目的なのです。
ホームステイ先はそれぞれ環境やルールが異なります。他の学生にとっては”良いホームステイ先”だったとしても、自分には合わず”悪いホームステイ先”に感じることもあるでしょう。
努力はしてみたけれど、どうしても家庭のルールに納得がいかず、一緒に生活するのが難しい場合は、まずは直接ホストファミリーに働きかけて改善をお願いしてみてください。それでも解決しない場合は、現地のスタッフや学校のスタッフに相談してステイ先を変更してもらうなど、対応をお願いしましょう。
(4)常識を持って行動する
ホストファミリーと仲良くなるには、短い期間であっても信頼しあえる関係になることが重要です。信頼関係があってこそ、お互い気を許し、一緒に過ごす時間を楽しむことができるからです。ホストファミリーと信頼関係を築くための具体的な行動としては、
- 家庭のルールを守る(門限や夕食の時間、お風呂の時間などを守る)
- 約束を守れないときは、事前に必ず連絡する
- 自分のことは自分でする(自分の部屋を片付ける、自分の食器は片付ける)
- 感謝の気持ちを忘れない
- 相手の時間を尊重する(家族の生活のペースを乱さない)
- 貴重品の管理は自分でしっかりする
などがあります。ホームステイ先は一般家庭であり、ホテルではありません。なんでもしてもらえると思わず、自分から手伝いを申し出たりして同じ家族の一員として行動することで、関係がより深まることでしょう。
上記に加えて、
- お土産を渡す
- 滞在前と後に手紙やメールを書く
というのも効果的です。何をするにしても、相手の気持ちや状況を考えながら行動すると自然と仲良くなれます。
オススメのホストファミリーへのお土産
ホストファミリーと打ち解けるきっかけにもなるお土産について紹介します。お土産は場を和ませたり会話のきっかけになったりする最高のアイテムです。高価すぎず、会話のきっかけになるようなものを選んで持っていきましょう。
喜んでもらえるお土産選びのポイントは、
- ホストファミリーの家族構成を確認する
- ホストファミリーの好き嫌いや宗教を確認する
- 食べ物は賞味期限が長いものにする
- 海外に持ち込み可能か確認する
- 高価すぎないものにする
などです。家族ひとりひとりに準備する必要はありませんが、子どものいる家庭にはその子が喜ぶギフトをプレゼントすると、そのお土産で会話がスタートし、好きな食べ物や趣味などを聞くきっかけにもなるので、その後、話しやすくなります。
オススメお土産~食べ物~
お土産として食べ物は一般的で選びやすいアイテムですが、宗教や個人の嗜好によっては食べることを禁止されている、あるいは個人的に禁じている食品があります。
例えば、
- ユダヤ教→豚肉は禁止、牛肉もユダヤ教の儀式にのっとって処理されたもの以外は食べない。うろこで覆われ、ひれがある魚は可だが、魚と卵を除く動物質の食品と乳製品を食べ合わせることは禁止
- イスラム教→豚肉やアルコールは禁止
- ヒンズー教→牛肉は禁止(中には卵を食べない人もいる)
- ベジタリアン(菜食主義者)→野菜が中心で、牛肉や豚肉は食べない(チーズや卵、魚、鶏肉は食べる場合が多い)
- ヴィーガン(完全菜食主義者)→チーズや卵を含む動物性食品をいっさい食べない
などがあります。ホストファミリーの状況について事前に確認しておきましょう。
上記のような問題がないという前提で、お土産の定番であるお菓子や食品をご紹介します。以下はあくまでも一例ですので、参考程度にして、ぜひ何が喜ばれるか考えてみてください。
オススメお土産~食べ物~(1)ラーメン(袋麺)
ラーメンは、今や海外でも高い人気を誇る日本食です。海外へ出店する有名ラーメン店も多く、ラーメンを好きな外国人も大勢います。日本の即席麺はスープ、麺の質ともに非常に優秀なので、簡単に日本食を楽しんでもらえるお土産としておすすめです。
醤油、みそ、塩、とんこつ、ごまなど味の種類も豊富だし、乾麺以外にも半生麺など本格的な味を楽しめる袋麺も多数あるので、食べ比べをしてもらうと楽しいでしょう。カップ麺をもっていくならどん兵衛などのうどん系もいいかもしれません。ミニタイプの詰め合わせなら荷物のかさばりを減らせます。
オススメお土産~食べ物~(2)洋菓子
海外ではライスクラッカーと呼ばれるおせんべいもおすすめです。塩や醤油の定番以外にも、あまじょっぱい味やゆず胡椒味、ワサビ味、ゴマ味、みそ味などの日本らしい味付けのおせんべいがたくさんあるので食べ比べしてもらうとよいでしょう。
また、どら焼きやお餅などの半生菓子もおすすめです。賞味期限が10日ほどしかないのでなかなか現地では食べられる機会が少なく喜ばれるはずです。
オススメお土産~雑貨~
よく、お箸や折り紙など”日本風のもの”が喜ばれるとアドバイスしている本などがありますが、過去に何度も日本人を受け入れている家庭が多いので、そこまで”日本風なもの”にこだわる必要はないかもしれません。
ホストファミリーの家族構成、年齢を確認して、子どもがいる家庭であれば子どもが喜びそうなかわいい文房具、女の子がいる家庭ならプチプラコスメ、高性能の日用品、100円ショップで売っているアイディア商品などが喜ばれるでしょう。
オススメお土産~雑貨~(1)文房具
日本の文房具のクオリティの高さや可愛らしさは海外でもよく知られています。日本の文房具はどの年代の人にプレゼントしても喜ばれるアイテムです。
ホストファミリーに子どもがいる場合は、人気キャラクター入りのメモ帳やボールペン、消せるペン、消しゴム、ペンケース、スマホケース、ランチボックスなどがおすすめです。女の子にはキティちゃんやマイメロディ、すみっコぐらし、シナモンロールなど、男の子にはドラえもん、ピカチュウ、ドラゴンボール、ナルト、ワンピースなどがよいでしょう。
大人のホストファミリーには、性能やアイディアが抜群に良い文房具を選びましょう。例えば、ペンスタンド機能が付いたペンケースは文房具入れにも使えますが、女性なら化粧ポーチとしても使えて便利です。
その他、針を使わないホチキスやひとつのペン先で2色の色分けができる蛍光マーカー、便利なテープのり、3色タイプのフリクション(消せるボールペン)やディズニーデザインのフリクションなど、便利な文房具を挙げればきりがありません。価格も手ごろでいくつあっても困らないものなのでもらう側も嬉しいはずです。
オススメお土産~雑貨~(2)プチプラコスメ
日本ブランドのコスメは質が良く海外でも人気です。例えば、リップやネイルグッズ、フェイスパウダーなど見た目がカラフルでかわいいものなら女の子がいる家庭で喜ばれるでしょう。男の子には、日本の整髪料は性能がよく重宝されます。大人の家族には、日焼け止めやハンドクリーム、薬用リップなどがおすすめです。
海外のものは着け心地が悪かったり、長持ちしないものが多く、日本の製品のようにべたつかないのに効果長持ち、というのは意外と珍しいようです。
オススメお土産~雑貨~(3)100円ショップグッズ
100円ショップには外国人が喜びそうなグッズが実はたくさんあります。キャラクターもののキッチン小物や日用品、富士山やお寿司、お相撲さん、忍者など日本文化をモチーフにした手ぬぐいやシール、マグネット、付箋、レターセット、ポチ袋、マスキングテープなど驚くほどたくさん種類があります。
また、野菜を入れて鉛筆削りのように回すと麺のように出てくる野菜ヌードルピーラーや拡大鏡付きの爪切り、キーホルダーになった靴ベラなど日本ならではのアイデア商品も喜ばれること間違いなし。ホームステイ先の家族構成を確認して、100円ショップで家族全員に便利で面白いグッズをプレゼントするのもよいでしょう。
ホストファミリーに手紙やメールを送ってみよう
ホストファミリーと仲良くなるための方法として、出発前と帰国後に手紙やメールを送るのも効果的です。最近はFacebookやLINEなどのSNSで簡単に連絡を取ることができますが、あえて手紙やメールで送ると印象的です。
書く内容は
- 簡潔に書く
- 謙遜はしないで前向きなことを書く
という2点がポイントです。
手紙・メールに書く内容~出発前~
出発前は、自己紹介を含めてお世話になる挨拶をしましょう。到着予定日やアレルギーの有無などの連絡のほか、自分の写真を添付するとホストファミリーも安心です。家族やペット、趣味を楽しんでいる写真も加えておくと、ホストファミリーも受け入れる学生の人となりが分かり、安心するでしょう。
手紙・メールに書く内容~帰国後~
帰国後はなるべく早めにお礼の手紙・メールを送るようにしましょう。帰国後時間が経ってしまうと、送ること自体がおっくうに感じてしまうし、気持ちが高揚しているうちに書くほうが相手にも思いが伝わるからです。思い出の写真とともに手紙やメールを送るのもよいですし、和紙や富士山、さくら、浮世絵などがモチーフになった日本っぽいカードに手書きでメッセージを送るのもよいでしょう。
まとめ
今回はホストファミリーと打ち解けるためのポイントを紹介しました。仲良くなる方法はいろいろありますが、一番大切なことは「背伸びをしすぎず正直に、ありのままの自分でホストファミリーと接すること」です。まったくの他人と暮らすわけなので悩みやトラブルがないはずはありません。
でも、留学の目的を見失わず、どんな状況でも明るく前向きに正直に過ごしていれば信頼関係が生まれます。そうすれば、自然とホームステイ先での時間が素晴らしいものになるはずです。そして、もしかしたら、ただのホストファミリーだった人が、長い付き合いができる大切な家族になるかもしれません。留学が決まったら十分に準備して、ホストファミリーとの最高の時間を作ってください。
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