「予算が足りない」という理由でカナダ留学を諦める前に、ぜひチェックしたいのがさまざまな奨学金制度です。学生を対象としたものが主ですが、中には社会人でも利用できる奨学金も。自分にぴったりのものを見つけて、カナダ留学という大きな夢を叶えましょう!
カナダ留学の奨学金にはどんな種類があるか
“奨学金”と一口に言ってもさまざまな区分があり、以下の2種類に大別されます。自分に合っているのはどちらかを考えておきましょう。
・給付型の奨学金…返済する必要がなく、そのままもらえる奨学金のこと。その分、審査が厳しかったり対象者が限定されていたりしますが、もし条件を満たすようならチャレンジする価値があります!
・貸与型の奨学金…一定の金額を貸し出してもらい、将来的に返済していくタイプの奨学金。無利子と有利子、どちらの場合もあります。帰国後に就職やアルバイトなどで収入を得られる方はこのタイプも検討すると良いですね。
さらに奨学金の提供元として以下の4種類があります。視野を広げてさまざまな奨学金制度をチェックしてみると、応募できるものがいくつも見つかるはずです。
・日本の公的機関…留学を促進するために日本の公的機関が奨学金を用意。審査をクリアすれば手厚いサポートが受けられます。
・カナダ政府…カナダ政府が留学生を対象に給付している奨学金も。条件はやや厳しくなりますが、対象者はぜひ挑戦してみましょう。
・日本の地方自治体…あまり知られていませんが、都道府県や市区町村が提供する奨学金の中には手厚いものも多数あります。
・日本の民間団体…公益財団法人など、さまざまな機関がカナダへの留学者を支援しています。
カナダ留学の奨学金の申し込み資格について
奨学金ごとにさまざまな審査基準が設けられています。申し込みを行う前に、自分がその基準を満たしているか確認することが大事。一般的な審査基準としては、以下のようなポイントがあります。また、以下に関しては、語学学校への語学留学でなく、高校や大学・大学院への留学に適用される場合が多いです。
・学力…給付型の奨学金の場合、「成績優秀な者」として成績証明書の提出が義務づけられています。
・学歴…大学の学部生や、修士課程、博士課程に在籍する人などに対象を限った奨学金も多数。また、特定の大学に在籍している人だけが応募できるものもあります。
・年齢…30歳未満、40歳未満など、応募者の年齢制限が設けられている場合も。
・世帯収入…日本学生支援機構(JASSO)のケースのように、世帯収入によって応募できる奨学金の種別が変わることがあります。
・語学力…留学に必要な語学力を備えているか確認するため、語学試験のスコアの提出を義務づけていたり、英語で面接を行ったりする団体も。
語学学校への語学留学の場合は、文部科学省が官民協働で進めている「トビタテ!留学JAPAN」の利用や民間の留学会社が行っている奨学金などを活用する方法があります。
カナダ留学で申し込みできる返済不要の奨学金
カナダ留学をサポートしてくれる奨学金制度をご紹介します。とくに記載のない限り、以下の奨学金制度はすべて返済不要の給付型です。なお、地方自治体についてはごく一例のみを挙げていますので、お住まいの都道府県や市区町村のウェブサイトを確認したり、直接問い合わせたりしてみるのがおすすめです。
【公的機関】
・文部科学省
官民協働の海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」。対象は高校生と大学生で、返済不要の奨学金が支給されます。高校生・大学生ともに応募コースが3つありますが、どのコースでもカナダ留学が可能です。
対象者 | 高校生、大学生 |
留学期間 | 14日~1年以内 |
支給金額 | 家計基準や留学先、留学期間に応じた金額 |
・日本学生支援機構(JASSO)
学部学位取得型、大学院学位取得型、協定派遣の3タイプがあります。学部と大学院では授業料(上限あり)と生活費(留学先による)が、協定派遣では毎月一定額が支給されます。他の奨学金との併用が可能。なお、JASSOでは貸与型の奨学金制度も用意されているので、確実に奨学金を利用したい人は検討を。
対象者 | 高校生、大学生 |
留学期間 | 1~3年以内 |
支給金額 | 家計基準や留学先、留学期間に応じた金額 |
【地方自治体】
・ほっかいどう未来チャレンジ基金(北海道未来人財応援基金)
北海道に在住する18歳~39歳(学生留学コースは18歳~30歳)までを対象に、海外留学・海外研修にかかる渡航費、滞在費、授業料などの一部を支援。コースは「学生留学コース」、「文化芸術コース」、「スポーツコース」、「未来の匠コース」があり、毎年計10名ほど募集しています。
対象者 | 応募年度の4月1日現在で、18歳~39歳(学生留学コースは30歳まで) |
留学期間 | 全コース3ヵ月~1年以内 |
支給金額 | 留学先により異なる |
・ぐんま赤尾奨学財団留学奨学生
群馬県内の大学・短期大学に在籍する30歳未満の学生に対し、留学費用の一部をサポート。在籍する教育機関を通じて、留学計画書、自己推薦書、学校推薦書などの応募書類を提出します。海外の大学などで正規授業科目を履修する留学生、語学学校や専門学校、ボランティア活動などの研修留学生に奨学金が支給されます。
対象者 | 大学生 |
留学期間 | ・一般留学:3ヵ月~1年以内 ・研修留学:3週間~1年以内 |
支給金額 | 30~60万円 |
・ヒロシマスカラシップ
広島県在住者または出身者で、さまざまな芸術分野にチャレンジするため、海外の大学院、大学、短期大学、専修学校などで学ぶ人が対象。推薦書や成績証明書などの提出が必要です。なお、基本的な条件は同じで、分野を音楽のみに限った「中村音楽奨学金」もあります。
対象者 | 広島県内在住者で優秀な成績かつ身体健康で、海外の大学、大学院、専修院などで芸術(音楽を除く)の習熟を志している人 |
留学期間 | 2年以内 |
支給金額 | 年間36万円 |
・高岡市海外留学支援奨学金
高岡市の青少年の中から国際社会で活躍できる人材を育成することを目的とした海外留学に対する給付型の奨学金制度。海外の高等学校または大学等へ1年以上の留学をする人を対象に、50万円の奨学金が給付されます。
対象者 | 15歳以上25歳未満 |
留学期間 | 海外の高等学校または大学等へ1年以上の留学 |
支給金額 | 50万円 ※他の奨学金との併用も可能 |
【カナダ政府】
・高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金
在日カナダ大使館の協力により設立されたもので、日本とカナダの友好関係に多大なる貢献をされた高円宮殿下を記念したもの。日本の4年制大学の2年生または3年生になる日本人のうち、日本の大学に許可を得た上で1学年分をクィーンズ大学へ留学する人が対象です。IELTS 6.5以上などの英語能力規定をクリアすることが条件。
対象者 | 大学2年制~3年生 |
留学期間 | 1年間 |
支給金額 | 学費・生活費・航空券などを含んだCA$38,000(約300万円) |
・ヴァニエ・カナダ大学院奨学金
社会・人文科学、自然科学・工学、保健、リーダーシップ技術の分野において、大学院で優れた学術的成果をあげている人々を支援。応募者は、候補者が割り当てられているカナダの大学から推薦を得るため、成績証明書や推薦状などを提出する必要があります。最大で年間500名のカナダ人および外国人学生に年間50,000カナダドルが最長3年間支給される、手厚い奨学金です。
対象者 | 大学院修士課程で優れた成績を収めている者 |
留学期間 | 最長3年間 |
支給金額 | 学費・生活費・航空券などを含んだCA$50,000(約450万円) |
【民間団体】
・伊藤国際教育交流財団日本人奨学金
海外の大学院の修士課程で学ぶ日本人を対象とし、書類審査と面接が行われます。奨学金は学費のほかにも、往復旅費の実費、生活費が支給されます。以前までは研究テーマに基づいて「一般プログラム」と「特別プログラム」を区分しての募集でしたが、現在は統一化されています。
対象者 | 海外の大学院修士課程に正規生として入学を予定しており、成績・人格ともに優れた29歳以下の方 |
留学期間 | 2年以内 |
支給金額 | 生活費:月額US$1,500~2,000、学費(上限300万円)、往復旅費 |
・公益財団法人 経団連国際教育交流財団奨学金
(1)日本人大学院生奨学金、(2)産業リーダー人材育成奨学金、(3)経団連グローバル人材育成スカラーシップの奨学生募集があります。審査方法は、書類審査と面接があります。
対象者 | (1)大学院生 (2)大学院の博士課程1・2年に在学する学生、または日本の大学院卒業後、日本企業において活躍する意志を持つ者 (3)国際化に取り組む63大学のいずれかに所属し、将来日本企業に就職してグローバルに活躍する意志を持つ学生 |
留学期間 | (1)(2)1年間もしくは2年間 (3)8ヵ月以上1年未満 |
支給金額 | (1)年間350万円 (2)年間450万円 (3)年間200万円 |
・日本財団・笹川保健財団 看護職海外留学奨学金制度「Sasakawa 看護フェロー」
グローバルな視点とリーダーシップを持った看護師を育成することを目的とした給付型奨学金。進学先は、アメリカやカナダで医療、看護などの分野でトップ10に入る大学。大学留学で必要な授業料、寮費、渡航費、保険料などの費用が年間US$100,000を上限として支給されます。
奨学金の応募をするには、まずSasakawa 看護フェローに応募し、合格者はSasakawa 看護フェローとして6ヵ月以上在籍しながら課題を遂行する必要があります。
Sasakawa 応募要項 | 日本の看護師免許を取得済みで、英語力がTOEFL iBT80またはIELTS6.0以上ある者 |
対象者 | アメリカ・カナダの、公衆衛生学、疫学、保健政策、人口動態、生命科学・医療、看護学などの分野でトップ10に入る大学における、修士・博士課程への進学者 |
留学期間 | 修士課程2年間または博士課程3年間 |
支給金額 | 修士課程進学者には2年、博士課程進学者には3年を限度として下記奨学金を給付 (1)授業料、寮費、保険料、往復分の渡航費:年間US$100,000 (2)生活費:月額US$1,000 |
まとめ
「予算面がネックで…」と悩んでいた方も、さまざまな奨学金制度を利用すれば留学実現の可能性が広がるはず。ぜひ前向きにチャレンジしてみましょう!奨学金制度やカナダ留学についてさらに詳しくお知りになりたい方は、資料請求をご利用になるか、カウンセリングセンターへお問い合わせください。