山形大学大学院農学研究科が、ドイツやイタリアと行っているダブルディグリープログラムをヨーロッパ5ヵ国6大学に拡大します。このプログラムでは、留学先での学費が免除になるほか、滞在中の奨学金も受けることができます。
海外の大学院で、環境や食料の問題を解決するためのスマート農林業を学びたい学生にとって、見逃せないチャンス! 理系だけでなく、文系の学生も大歓迎で、大学院で学び直したい社会人も対象となります。
【概要】修士課程2年間で2大学の学位を同時取得
山形大学大学院農学研究科では、欧州5ヵ国の6大学と提携した「スマート農林業のためのダブルディグリープログラム」をスタートします。
ダブルディグリープログラムとは、2つの大学の学位を1つの課程で取得できるプログラムのことで、山形大学大学院農学研究科の修士課程2年間で、山形大学と海外提携大学の学位を同時に取得できます。
留学先での学費が免除になるほか、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択されたことにより、留学期間の1年間に120万円程度の補助を受けることもできます。
<ドイツ・ハノーヴァー大学の例>
山形大学から「修士(農学)」+ハノーヴァー大学から「修士(理学)」の学位がそれぞれ授与される。
【提携大学】西欧だけでなく東欧の大学にも留学できる
ダブルディグリープログラムの提携大学は、以下の6大学を予定。
- <ドイツ>ハノーヴァー大学(2019年から提携)
- <イタリア>トリノ大学(2024年から提携)
- <スペイン>リエイダ大学(2026年開始予定)
- <ルーマニア>ブカレスト農科獣医科大学(2027、28年開始予定)
- <ブルガリア>トラキア大学、プロヴディフ農業大学(2027、28年開始予定)
ドイツのハノーヴァー大学、イタリアのトリノ大学とは、すでにダブルディグリープログラムをスタートしており、これまでに9名が留学を経験しています。AIやIoTを駆使したスマート農林業の先端技術が研究されている西欧の大学だけでなく、その技術を必要とする東欧の大学との交流もできる点がこのプログラムの特色といえます。
【プログラム例】日本で1年、海外で1年の計2年間の課程
ハノーヴァー大学に留学した場合のダブルディグリープログラムのベーシックなスケジュール例は以下の通りです。
まず入学から6ヵ月間は山形大学大学院で、その後の12ヵ月間を提携先大学で学びます。そして、帰国後の6ヵ月間で英語による修士論文を仕上げるという流れが一般的です。
【学費】海外滞在中に計120万円の奨学金を受けられる
このプログラムでは、山形大学大学院農学研究科に通う2年間の学費のみで、ヨーロッパ提携大学の学費は不要となります。
さらに海外滞在中は8万円×12ヵ月の奨学金のほか、渡航費補助13万円、往復航空券代など計120万円程度の補助が受けられます。これは、留学費用の半分以上をカバーするものとなるため、現地で贅沢をしなければ、自己負担金を通常の3分の1程度に抑えることができます。
【参加のためには】大学院入試の受験が必要
ダブルディグリープログラム参加にあたり、山形大学大学院農学研究科(修士課程)の入学試験に合格する必要があります。
まずは、所属を希望する研究室に個別に連絡を取り、入学試験の受験とダブルディグリープログラムへの参加を希望していると伝えて下さい。希望指導教員と研究内容について相談した上で、入学試験に出願することになります。入学試験の詳細は山形大学農学部ホームページの入試案内に掲載されている募集要項を確認して下さい。
>>募集要項はこちら
入学試験に合格することに加えて、大学院で研究したい研究テーマが明確であることと、留学先の受け入れ条件であるTOEIC700点レベル以上の英語力(CEFR B2以上)が求められます。
山形大学農学部各研究室の研究テーマは以下のリンクから調べることができます。各教員のeメールアドレスなども記載されているので、ここから連絡を取りましょう。
>山形大学農学部研究シーズ集
【農学部長より】山形大学大学院からグローバル人材に!
山形大学農学部長、大学院農学研究科長
渡部徹教授
山形大学では、2022年度に「アグリフードシステム先端研究センター」が発足し、データに基づく農業・畜産技術、食品の機能性の「見える化」などの先進的な研究が進められています。
ダブルディグリープログラムを通じてAIやIoTを駆使したスマート農林業を学ぶ国際研究拠点として最適だといえます。2025年4月または10月から開始するプログラムの定員は計4名で、本気でスマート農林業の研究をしたい方なら理系学生だけでなく、文系学生の出願も大歓迎です。
修士課程の入学試験は専門試験1科目と面接のみで、事前にメールで指導を希望する教員にコンタクトを取り、しっかりディスカッションをすれば、決して難しいハードルではありません。今後、ビジネスの国際化が加速するのは間違いなく、それは農林業の分野も例外ではありません。
ヨーロッパの大学院の修士号を取得することは、研究者を目指す上でも企業に就職する上でも大きなアドバンテージになるでしょう。山形大学農学部と農学研究科は学生全体の約1割が留学生で、日本で学ぶ期間もグローバルな環境に身を置くことができます。ぜひ山形大学大学院農学研究科から、グローバルに活躍する未来を掴んでください!
募集概要
山形大学大学院農学研究科ダブルディグリープログラム | |
対象大学 (予定) | ハノーヴァー大学(ドイツ)、トリノ大学(イタリア)、リエイダ大学(スペイン)、ブカレスト農科獣医科大学(ルーマニア)、トラキア大学(ブルガリア)、プロヴディフ農業大学(ブルガリア) |
留学期間 | 1年間 |
対象学生 | 山形大学大学院農学研究科 入学予定者 |
出願期間 | 山形大学大学院農学研究科入学試験の出願期間に同じ >>募集要項はこちら |
ダブルディグリープログラム参加のための要件 | TOEIC L&R 700点以上(もしくはCEFR B2相当のスコア)、書類審査、面接審査あり |