世界でも人気のギネスビールやアイリッシュウイスキーなどが代表的なアイルランド。季節のイベントとして日本にすっかり定着したハロウィーンも、実はアイルランドが発祥です。
島の西部に広がる大自然や歴史的な遺跡には、映画「スターウォーズ」やドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地目当てに、世界中からファンが押し寄せます。
キリスト教とヨーロッパの古代ケルト文化が融合した独特なアイルランド文化、クラダリングやアランセーター、ドニゴールツイードなどの伝統工芸に魅せられる人も少なくありません。
世界的ロックバンドU2や民謡「ダニーボーイ」、幻想的なエンヤの歌で知られるアイルランド音楽、躍動的なアイリッシュダンス、ジェームス・ジョイスなどノーベル文学賞作家を4人も輩出しているアイルランド文学、これらもすべて、アイルランドを世界に知らしめているものです。
そんなアイルランドの多彩な魅力に一度はまると病みつきになり、アイルランドに二度、三度と足を運ぶ人は少なくありません。今回は、そんなアイルランド留学の魅力と、期間別に必要な費用の目安、留学費用の節約ポイントなどをご紹介します。
アイルランド留学がおすすめの理由
前述の通り、アイルランドの魅力は語りつくせないほどいろいろありますが、ここではなぜ留学先としておすすめなのかの理由を探ってみましょう。
温暖な気候で自然が多い
イギリスの左隣に位置する島国アイルランドは、北海道より高い緯度にあるため、どうしても北の寒い国とイメージされるかもしれません。実際は、目立って高い山がないため冬でもそれほど雪が降らないうえに、北大西洋海流(メキシコ湾流)の影響で年間を通じて温暖な気候です。
その影響で北海道ほどのサイズの国全体は一年中、緑に覆われていて、別名エメラルドの島と呼ばれています。都市部から少し足を伸ばしただけで、そこに広がる雄大な自然を満喫することができます。
治安が良い
ヨーロッパ諸国の中で比較的治安が良く過ごしやすいことは、アイルランドをおすすめするポイントのひとつです。イギリスの経済紙『エコノミスト』の世界平和度指数ランキング(Global Peace Index)では常に上位にランクインしており、2021年度は163ヵ国中8位となっていることからも、治安の良さがわかります。
また2020年6月の国連総会で国連安全保障理事会の非常任理事国(任期:2年間)に選ばれており、2021年1月1日から非常任理事国に就任しています。
英語が公用語
アイルランドの公用語は、英語とアイルランド語(ゲール語)ですが、日常的には広く英語が使われています。
道路標識や駅名などは、英語とアイルランド語の両方が表記されていますが、アイルランド語を日常的に話すゲールタクト(Gaeltacht)と呼ばれる地域に住む人たち以外は、アイルランド人でもアイルランド語を話せる人はあまりいないのが実情です。
なお、ヨーロッパ諸国の中で英語を日常的に話しているのは、アイルランドとイギリス、マルタだけです。
ヨーロッパからの留学生が多い
ヨーロッパでは人気の留学先として知られるアイルランドには、日本人が少なく、留学生の大半がヨーロッパからの学生ということも特徴です。アイルランドの初等・中等教育は無償で、全体的に教育水準が高く、大学進学率はヨーロッパでもトップクラスを誇ります。
人々がフレンドリー
そんなアイルランドの国民性はとにかくフレンドリー。パブで隣り合わせても、電車に乗っていても、「どこから来たの?旅行者?留学生?」と笑顔で話しかけてきます。
道で信号待ちをしていると「道に迷ったの?どこに行きたいの?」と気遣って声をかけられるのも日常茶飯事。ヨーロッパからの留学生や移民が多いことから、多種多様な文化を受け入れることに慣れているのです。
海外有名企業の拠点
自然豊かなイメージのアイルランドですが、その反面、低い法人税率でGAFA等の海外資本の企業誘致に成功したことでも知られています。ダブリンには世界的IT企業や医薬品、医療器具産業の開発拠点が集まっています。
アイルランドのおすすめ都市ベスト3
アイルランドの人口は約501万人(2021年アイルランド中央統計局推計)ほどで、これも北海道と同じくらいです。ここでは、留学先として人気の都市3つをご紹介します。
ダブリン
東部に位置するアイルランドの首都ダブリン。最大都市だけあって、人口の4分の1にあたる約130万人が住んでいます。国内の主要大学が集まっているため、若者層が多く、活気にあふれているのが特徴です。ダブリンは徒歩でも十分に回れるサイズ感の都市ながら、バスやLUAS(路面電車)、DARTなど各種公共交通機関が発達しており、生活するのに便利です。
ダブリンには歴史的建造物や博物館などの見どころが多いだけでなく、ショッピングやエンターテインメントが充実しているので、放課後、時間を持て余すことはありません。
ゴールウェイ
ゴールウェイは、古代遺跡の残るアラン諸島やモハーの断崖への入り口として知られる、アイルランド西部の港町です。素朴なアイルランドらしさが残る町として人気があります。国際的なアートフェスティバルやオイスターフェスティバルなどに世界中から観光客が集まるゴールウェイは、2020年の欧州文化首都に選ばれています。
コーク
コークは、南西部に位置する、アイルランド第二の都市です。徒歩でも移動できるサイズの港町ですが、とにかく坂が多いので、体力が必要です。
また、コークの人はアイルランドの中で一番Talkative(おしゃべり)だと言われています。これはコーク近郊の観光地として知られるブラーニー城の屋上にある石ブラーニーストーンにキスすると口が上手くなるという言い伝えに由来するとも言われています。
【期間別】アイルランド留学の費用の目安
では、ここからはアイルランド留学にかかる費用について見ていきましょう。
以下は留学期間ごとに見たアイルランド留学の費用の目安です。
期間 | 費用 |
1ヵ月間 | 46万~57万円 |
3ヵ月間 | 101万~129万円 |
6ヵ月間 | 180万~235万円 |
1年間 | 329万~428万円 |
※2022年1月現在の概算。上記の金額には、語学学校の入学金、滞在手配費、語学学校の授業料、滞在費、食費、海外留学保険料、航空券、小遣いなどが含まれています。
全体の費用は、アイルランドのどの都市で生活するのか、町の中心部か郊外か、どういう学校に通うのか、どういう滞在方法にするのかなど、条件によっても変わってきます。
アイルランド留学・何にどのくらいかかる?
次に、具体的にかかる費用の内訳を見てみましょう。
航空券
日本からアイルランドへの直行便は就航していないので、アジア・中東またはヨーロッパの経由便を利用することになります。経由地や乗継回数によりフライト時間が大きく変わってきて、フライト時間がかかるルートほど、それに比例して航空券も安くなってきます。航空券の目安は10万~15万円です。
授業料・滞在費
期間 | 費用 |
1ヵ月 | 22万~33万円 |
3ヵ月 | 62万~90万円 |
6ヵ月 | 119万~174万円 |
1年間 | 229万~329万円 |
※2022年1月現在の概算。上記の金額には、語学学校の入学金、滞在手配費、語学学校の授業料、滞在費、食費が含まれています。
アイルランドの語学学校の授業料は、隣の国イギリスや留学費用が比較的安いと言われるマルタと比べても、とてもリーズナブルです。
授業料は、どの学校を選ぶか、どのコースを受講するかで金額は大きく変わってきます。また、32週間(8ヵ月)以上など長期の留学生向けに割引料金を設定している学校も多く、学校の在籍期間が長くなるにつれ割引率も高くなり、割安になります。
語学学校の良し悪しは、留学の満足度や英語力の伸びを大きく左右します。学校を選ぶ際は、ロケーションや学校の設備、学校スタッフの評判など、いろんな角度から比較してしっかりと検討し、自分に合ったところを見つけるようにしましょう。
滞在費
ホームステイ、寮、ハウス/フラットシェア(1軒の家/フラットを数人でシェアして生活すること)など、いくつかの滞在方法がありますが、アイルランドではホストファミリーと生活するホームステイが一般的です。ホスピタリティ精神が旺盛なアイルランド人ファミリーと生活し、毎日話すことで日常生活が予習復習になり、自然な英語が身につけられるでしょう。
ホームステイの場合は、1ヵ月間で11万~16万円、3ヵ月間で33万~47万円程度かかります(平日朝夕2食、土日3食の食費が含まれる場合)。
ビザ
日本国籍の場合、留学期間が90日以内なら入国時にスタンプが押される観光ビザで滞在できます。90日(3ヵ月)以上の場合、入国後に移民局で入国許可(IRP)を申請する必要があります。外国人登録料はEUR300です(2022年1月現在)。
その他
海外留学保険は留学前しか手続きができません。忘れずに加入していきましょう。
また万一、アイルランド到着後すぐに学校やホストファミリー、日本の家族に連絡することになった時に備えて、留学前からSIMカードなどの通信手段を準備しておくと良いでしょう。
アイルランド留学・5つの節約ポイント
準備できる留学資金には限りがあるので、節約できるに越したことはありません。費用を節約できれば、節約できた分をより必要な部分に回したり、旅行など留学生活をより充実させるために使うことができます。ここでは、費用を節約するポイントを考えてみましょう。
航空券の購入時期で節約する
ゴールデンウィークや夏のピークシーズン、シルバーウィーク、年末年始といった航空券が高騰する時期を避けて留学することで、費用をおさえることができます。一般的に、航空券は出発直前よりも数ヵ月前に購入した方が選択肢も多くなる上、価格設定も安めです。航空会社の早割サービスを活用した余裕を持ったスケジュール立ては、結果として節約につながります。
授業料で節約する
朝から夕方までのフルタイムコースで勉強するとその分、授業料がかかります。午前中だけ授業を受けるレッスンが少なめのコースを受けると、その分、費用の節約になります。また、語学学校によっては昼間のコースより授業料が安いイブニング(夜間)コースを開講していることがあります。そのような学校やコースを選択肢のひとつとしてみるとよいでしょう。
また、学校によっては長期の留学生向けに割引料金を設定していたり、学校特有の特別料金(スペシャルオファー)を提供していたりするので、忘れずにチェックしてみましょう。
滞在方法で節約する
長期滞在者は、最初の3ヵ月~6ヵ月ほどはホームステイ先でホストファミリーと生活したり、学校の寮で他の留学生と生活しながら、留学している環境に慣れると良いでしょう。
ある程度、生活に慣れてきたら、ハウスシェアやフラットシェアにうつることで、費用を節約することができます。ハウスシェアやフラットシェアの場合、1ヵ月間で6万~10万円程度の家賃と別に食事や光熱費が必要になります。
アイルランドの付加価値税(VAT)は23%と決して低いものではありません。特にアイルランドでは外食費が高く、マクドナルドのビックマックがセットでEUR7.19(約1000円)かかります。ただし食料品には軽減税率が適用されるので、スーパーで食材を買って自炊をすれば、かなり食費を抑えられます。
アルバイトで節約する
ワーキングホリデービザ保持者や、政府の認可した語学学校にフルタイムで25週間以上在籍する留学生や大学に在籍している留学生は、週20時間までアルバイトをすることができます(ホリデー期間中は週40時間まで可能)。
アイルランドの最低賃金は時給EUR10.50(約1,428円)で、これは東京の最低賃金(1,041円)より高い金額です。アルバイトで稼げれば節約になる上に、海外での就労経験も得られるので一石二鳥です。
留学エージェントを利用する
時間とお金を節約するために、日本での準備段階から、留学を専門に扱う会社(留学エージェント)を利用するのも一つの方法です。留学出発までのスケジュール立てから相談して進めることで、余計な労力を使わずに英語の勉強に集中でき、留学費用をねん出するためのアルバイトや仕事に専念することができます。
まとめ
国民の8割が厳格なカトリック教徒であり、古い伝統と文化が色濃く残るアイルランドですが、その一方では、2015年には世界で初めて国民投票により同性婚を認めるなど、革新的な一面も備えています。また、ダブリンのような都市での生活と、牛や羊が草をはむ大自然が同時に味わえる国でもあります。
アイルランド留学に興味を持ったら、まずは留学ジャーナルにご相談ください。コロナ禍での留学には確かな情報に基づいた判断が大切です。50年の歴史を持つ留学ジャーナルは、これまでに20万人以上の留学生を送りだした実績があります。アイルランドに留学した方たちから届いた現地レポートや学校との長年の信頼関係から常に最新情報を備え、ご希望や条件にあわせて一人ひとりに最適なプランの提案をしています。
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>>コロナ禍のアイルランド留学|留学実現に必要な情報まとめ | この記事の情報は、2022年1月現在の情報をもとに記載していますが、新型コロナウイルスの影響で、海外渡航や留学先の受け入れ状況は日々、変わっています。必ず外務省や留学先の国の最新情報を確認するようにしましょう。新型コロナウイルスに関する最新情報はこちらをご覧ください。