「留学したい!」と思ったときにどのような留学が思い浮かぶでしょうか。一言で留学と言っても、その形態はさまざま。今回は、語学力をアップさせるために留学する「語学留学」について、学んでいきましょう。
語学留学とは
語学学校などで語学を学ぶ留学
語学留学とは、現地の語学学校などの教育機関で語学を学ぶ留学スタイルのことです。語学留学には、1週間から行ける短期留学、数ヵ月~1年以上の長期留学、ワーキングホリデービザを利用するなど、いろいろな種類があります。
また、語学のレベルも、入門レベルから上級レベルまで、さまざまなレベルの人が語学留学をしています。語学学校では、さまざまなレベルの人に対応できるよう、初級クラスから上級クラスまでレベル分けされているところがほとんどです。レベル分けの基準やレベル数は、それぞれの学校によって異なります。
語学学校の種類は大きく分けて3つ
語学学校と一口に言っても、実際はさまざまなタイプの語学学校があります。希望に合うタイプの語学学校を見つけることが大事になります。代表的な語学学校のタイプを3つにわけてご紹介します。
1.私立の語学学校
小規模校から大規模校まで、数多くの語学学校があります。毎週月曜に入学できる場合も多く、留学期間も1週間から入学可能など、フレキシブルな学校が多いのが特徴です。入学日や、学ぶ期間を自分のペースに合わせて決められるのがメリット。短期留学から長期留学まで、さまざまな留学タイプや目的に合ったプランが立てられます。
1週間しか時間が取れないけれど留学してみたい、日常会話ができるようになりたい、ワーキングホリデーで働けるよう英語力をつけたい、ビジネス英語を学びたい、試験対策や進学準備をしたいなど、さまざまな目的に対応している学校が多いのも特徴。
私立というと費用が高いのではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、心配無用です。料金面でも幅広いタイプの学校があるので、費用をできるだけ抑えるために割引キャンペーンや長期割引が適用される学校を選びたい、もしくは、費用が高くてもいいので質の良い学校に行きたい、など、希望に合う学校が見つかりやすいのも、私立の語学学校のメリット。
また、街の中心部のビル内など、通学や観光に便利な場所にあることが多いです。留学生向けの学校なので、留学生のケアやサポートが充実しており、少人数クラスで開講していることも多く、初心者でも安心して通うことができます。
2.大学付属の語学学校、語学コース
こちらは、大学キャンパス内などで開講している、留学生向けの英語コースになります。もともとは、大学に進学する前に、その大学の入学基準を満たす語学力をつけるために受講するコースだったので、大学や大学院に進学を目指している人が多い場合もあります。
現地の大学キャンパスの教室や図書館、カフェテリアなどの施設や設備が使える場合が多く、現地の大学生のようにキャンパスライフが楽しめるのも魅力。自分から積極的にキャンパスにいる学生に話しかけたり、現地学生のイベントやサークルなどを探して交流したりすれば、現地の友達を作るチャンスもあるかもしれません。
開講時期や期間は、大学の学期に合わせてあることが多いので、よく確認しましょう。大学に入学するためのアカデミックな英語力をつける目的で通っている人が多いのが大学付属の語学コースの特徴で、私立の語学学校と比べると、あまり細やかなケアやサポートは期待できない分、自立心が強い人には向いていると言えるかも知れません。
また、海外の大学キャンパスは、敷地が広大な場合が多いので、郊外に位置することが多く、買い物や観光などは車がないと不便という場合もあります。
3.大学キャンパス内にある、私立の語学学校
「オンキャンパス型」と呼ばれています。一般英語コースはもちろん、進学準備のためのアカデミック英語コースや試験対策コースなどが充実している場合が多いのが特徴です。このタイプの学校はアメリカに多くあり、選択肢も豊富です。
入学時期は4週間に一度など、ある程度フレキシブルな場合が多く、私立語学学校のような留学生向けの丁寧なケアも受けながら、大学キャンパス内の図書館や食堂などの施設や設備を利用しながら勉強できるなど、私立の語学学校の良いところと、大学付属のメリットの両方をあわせ持ったような学校です。その分、費用設定が比較的高いケースもあります。
語学学校の入学の条件とは|英語力は問われない
語学を勉強するために語学学校に入学するので、入学時の英語のレベルは問われいないことがほとんどです。
語学学校では、初級から上級までレベル分けがあり、入学日にプレイスメントテストと呼ばれる、レベルチェックテストが行われる場合が多くあります。入学時に英語力に自信がなくても、このレベルチェックテストの結果によって自分のレベルに合ったクラスに入れますので安心ですね。当然、同じクラスになる留学生も、同じくらいの英語力の留学生になります。
英語がわからなくて授業についていけないかもしれない、などと心配する声も多いですが、レベルに応じて授業を進めてくれますので、まずは授業中積極的に発言したり、同じクラスの他国から来ている留学生に積極的に話しかけたりしてみましょう。どうしてもレベルが合わないと感じる場合は、担当の先生や学校のスタッフに相談し、場合によってはレベルを変更してもらうことも可能です。
レベル数は、学校によって異なりますが、大きく初級・初中級・中級・中上級・上級、などに分けられ、長期留学では、定期的にある試験に合格すると次のレベルへと上がっていきます。上級クラスに行けば行くほど、日本人留学生の数が少なくなり、ヨーロッパ圏などの留学生が多くなるという特徴もあります。日本人留学生の少ないクラスや環境で勉強したいという人は、できるだけ日本にいるうちに英語力をつけておくのがおすすめです。
海外の大学進学の際には、TOFELやIELTSなどの語学の試験スコアの提出が求められる場合が多いですが、語学学校の一般英語コースに入学する場合は、そういったテストスコアの提出などは求められません。
例外として、ビジネス英語コースや試験対策コース、大学の学部聴講を希望する場合などに、受講開始時に一定以上の英語力が必要とされていることもありますので、受講したいコースがある場合は、まず受講条件を確認してみましょう。求められる英語力のレベルに達していない場合は、最初に一般英語コースを受講して、英語力をアップさせてから希望するコースに進む方法が一般的です。
語学学校ではどのようなことを学ぶのか
「語学学校」と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?日本の英会話教室をイメージする人や、大学の授業のようなイメージをする人もいるかもしれません。大きく分けて以下の3つのようなコースがあります。
1.一般英語コース
語学学校の一般英語コースは、英会話学校などとは違い、読む・書く・話す・聞くの4技能を、まんべんなく学ぶスタイルが一般的です。語学学校によっては、会話中心に授業を進めたり、選択科目で勉強したい科目を選べたり、ディスカッションやディベート、グループワークなどを多く取り入れたりなど、それぞれ特徴を持っている学校もあります。
2.試験対策コースやビジネス英語コースなどの目的別コース
一般英語コースのほかに、試験対策コース(TOFEL・IELTS・ケンブリッジ英検・TOEIC等)や、ビジネス英語コース、J-SHINEやTESOLなど英語を教えるための勉強をするコース、バリスタコース、英語+α(ダンス・ダイビング・ヨガ・料理・フラワーアレンジメントなどのカルチャーやスポーツ体験のほか、ボランティアやワーク体験など)、大学の学部聴講などさまざまなコースがあります。
3.進学準備英語コース
海外の大学に進学をするために必要な英語力をつけるためのコースです。アカデミックな内容や、大学の授業の受け方なども学びます。
語学留学で何が身につくの?
1.英語力、語学力
語学留学で身につくものと言えば、まずは、何といっても「語学力」「英語力」です。日本で、朝起きてから夜寝るまで外国語だけで生活をするということは、現実的に難しいということも多いですよね。語学留学でホームステイ滞在をすると、朝から夜寝るまで、家でも学校でも、外国語だけを使って生活することも可能です。英語環境に身を置いて、英語習得に努めれば、英語力の向上が期待できます。
2.コミュニケーション力、適応力、問題解決力
留学をした人は、コミュニケーション力が身についたと口をそろえて言います。英語や英会話は、日本でも勉強できますし、ある程度上達させることができます。しかし、海外に留学をして、地元の人やいろいろな国から来た人と話したり友達になったりすると、英語を駆使してなんとか伝えようとするコミュニケーションスキルが上がったり、長く滞在していると、英語を使って問題を解決する力や適応力が身についたりします。母国語だけを使って生活しているとできない経験ですよね。
3.グローバルな視野
また、世界中から来た留学生といろいろな話をするうちに、自然とグローバルな視野が広がった、という声も。グローバル人材とは、単に語学力があるだけではなく、コミュニケーションスキルやグローバルな視野・視点に長けた人材を指します。語学留学で、英語力はもちろん、多様な価値観を認める柔軟性や、交渉スキル、自立心、チャレンジ精神などを習得し、帰国後に役立てましょう。
語学留学を成功させる3つのコツ
1.目的を持つ
一口に語学留学と言っても、さまざまな目的やスタイルがあることをご紹介してきましたが、語学留学を成功させるには、まず、留学の目的をしっかり持つことが大事です。日常会話レベルの英語力をつけたい、異文化交流をしたい、将来的に海外の大学や大学院に進学できる英語力をつけたい、ビジネスで使える英語力をつけたいなど、語学留学の目的は人それぞれ。留学先を選ぶ際、自分の希望や目的に合う学校を選ぶことが大切です。
2.他国からの留学生と友達になる
留学中は、日本人だけで固まらず、語学学校にいる他国からの留学生とも積極的に交流をしましょう。留学先で日本語ばかり話してしまうと、日本にいるのと変わらない環境になってしまいます。日本が夏休みの時期など、語学学校に日本人が多くなる時期もあります。そのような場合、「日本人同士でも英語で話す」、「日本人同士で過ごすことになった場合は、他国の友達を必ず誘う」、「ホストファミリーに今日あったことを英語で報告する」など、ルールを決めることで、英語環境に身を置くことが可能になります。
3.常に英語環境に身を置く意識を持つ
日本人留学生の多い・少ないにかかわらず、自分の意思で英語環境に身を置き、語学留学で英語力をアップすることは可能です。語学学校によっては、母国語禁止ルールがあったり、留学生の国籍が偏らないように国籍制限をしていたりすることもあります。語学学校を選ぶ際、参考にしてみると良いかもしれません。
留学で英語力をアップした人は、スマホの表示を英語にする、日本語のサイトなどは極力見ないようにする、英語で考える習慣をつけるなど、学校やホームステイ以外でも、常に英語環境になるようにした、という人も多いです。
まとめ
語学留学では、英語力がアップするだけではなく、留学してみなければ得られないものがたくさんあります。
語学留学してみたいけれど、英語力が不安、費用が心配といったことから、実際にどうやって留学先を選べばいいのかわからない、どこが自分に合うのかわからないといったことなど、語学留学について気になることは、留学のプロに一度相談してみてください。
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